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酒を飲もうとする意欲をそぐ役割を持つ遺伝子が特定―研究で　　2016年12月12日

酒を飲もうとする意欲をそぐ役割を持つ遺伝子が特定された。研究者らは、この発見は飲酒行動をコントロールする薬の開発につながったり、アルコール中毒者の救済の可能性を秘めていると語っている。

この遺伝子はβ-Klothoと呼ばれる遺伝子の変異で、105,000人以上の重度・軽度の飲酒者を調査することによって特定された。この中にアルコール中毒者は含まれていない。調査参加者は自身の遺伝子サンプルを提出し、週単位の飲酒頻度や飲酒量を回答した。

その結果、β-Klothoの変異があまり起こっていない人（全体の約40パーセント）には、飲酒をしようとする意欲が減少していることが示され、β-Klothoの変異の程度が飲酒の抑制とリンクしていることが示された。

研究者の一人は、これまで飲酒の問題はアルコール依存に焦点が当てられてきたが、アルコールによって引き起こされる様々な病気は酒を飲む量が問題で、単に常習性だけの問題ではないと指摘している。

遺伝子が飲酒意欲の抑制に関与していることを突き止めた今回の研究で、ヘビードリンカーが節度ある飲酒者となるような何か有効な施策が出てくれば、多量の飲酒が原因で起こる心臓病、肝臓病、高血圧、肥満といったリスク要因を減らすことになり、社会費用の負担を大きく減らすことが期待されると語っている。

（論文はこちら）
KLB is associated with alcohol drinking, and its gene product β-Klotho is necessary for FGF21 regulation of alcohol preference, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America

【関連ページ】

『アルコール常習・依存に遺伝子が関与　　2011年4月11日』

『イギリス、一週間で飲む最大飲酒量の上限を大幅引き下げ　【イギリス】　2016年1月10日』
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