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2013年のワイン界の展望  2013年1月4日


この数年間、世界のワイン界の注目は、中国市場にあったことは間違いないと思います。その中国市場も少しずつ変化してきているようです。またその他の市場も気になります。今年2013年、世界のワイン市場はどんな動きを見せるのでしょうか。


◆ 世界のワイン市場

2012年は、ヨーロッパの通貨問題のなり行きが懸念されましたが、結果的に大事にならずに済みました。しかし根本的な解決が図られたわけではなく、依然として世界経済の大きな火種となり続けることでしょう。

この問題は、世界のワイン界にとって非常に大きく、ワインの生産・流通・消費のすべてに大きく関わります。またそれに伴う為替の変動は、輸出者・輸入者とも大きな関心事のひとつとなりましょう。


ワイン消費地の拡大の萌芽

経済が発展すると、その地はワイン消費地となっていくようです。このことは歴史が物語っています。近年、従来のいわゆる先進国の経済停滞を横目に急速な経済発展を遂げているのが、ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカのいわゆるブリックス(BRICS)と呼ばれる国々です。

この中で南アフリカは今や世界のワイン大国のひとつに数えられますが、ブラジル・インド・ロシアのワイン消費は国際的な関心を向けられるほど増加していて、従来のワイン大量消費地であるヨーロッパの消費減をおぎなう以上の勢力に拡大していくことになっていくのかもしれません。2013年は、そんな兆しが見えてくる年となるかもしれません。

そのほか、ポーランド・メキシコ・韓国・ナイジェリアなどが新しい有望ワイン消費市場として名前が挙がってきているようです。こうしたこれまでほとんど世界のワイン市場には登場してこなかった市場の動きも、話題になることがあるかもしれません。


ワインスタイルの変化

『2012年のワイン界の展望』では、ワインの高アルコール度化からの回帰に言及しました。通年にわたってスティルワインに顕著にその傾向が現れたかどうかははっきりしませんが、どうも少なくとも、従来されてきたような高アルコール度ワイン賞賛の論調は、聞かれなくなったように思います。

ワインのアルコール度数については、ワインにジュースなどをミックスしたり、低い度数のスパークリングワインが人気を呼ぶなど、ワインの周辺部分では世界市場ではずいぶん多くの新商品が発売され、支持を得たようです。こうした流れは、今年も継続するかもしれません。


ワイン生産地の拡大

これはワイン消費地とも大きくかかわることですが、消費があれば生産が伴ってきますから、ワイン消費地の拡大は、ぶどうの生育環境によりますが、ぶどうが栽培可能な地域ならワインの生産は拡大するでしょう。

中国・ブラジル・インドのワイン生産は拡大しており、2012年は一部世界市場にお目見えしましたから、今年2013年はもう少し世界市場にその露出が広がってくるかもしれません。こうした新興ワイン生産国のワインは、ニュー・ニューワールドワインと呼ばれることもあり、これらのワインの動向も気になるところです。


◆ 日本のワイン市場

昨今業務用ワイン市場では、Bar(バルあるいはバール)と呼ばれる形態の、気軽にワインをカジュアルな価格で楽しめるというコンセプトの店が次々と現れるようになりました。これは、イタリアやスペインの街角にあるBarをイメージした店舗展開です。現地のBarのコンセプトとは必ずしも一致しないかもしれませんが、日本で都市部を中心に広まっています。

こうした店で、日ごろワインとはあまり接点のなかった消費者が、気軽にワインに親しむ機会を得るというのは大変良いことだと思います。

特に期待されるのは、20代・30代の若い人たちによるワイン消費です。従来、ともするとワインが持っていた、近づきがたいとか敷居が高いといったイメージを取り払った、カジュアルで親しみやすく、それでいてファッショナブルでもあるといったワインのイメージ形成を、若い人たちが担ってくれると良いと思います。

Bar(バル・バール)の展開は、そうした新しいマーケットの開拓に力を発揮することになるかもしれません。ひとつの懸念は、価格がカジュアルであるため、中身を吟味しないワインが提供されると、逆にワインのイメージが悪くなり、消費者の支持を得られず、一時のブームに終わるというケースです。

しかし全体として、近年レストラン・バーなどでのワインの販売に高い関心を示し、参入される若い世代の人たちは非常に多く、彼らの意気の高さを感じます。また、女性の進出の強さは、消費市場・販売市場両方でますます期待されるところです。こうした新しい人たちの感覚は、従来の業務用ワイン市場をドライブする力となるのではないでしょうか。大きく期待したいと思います。

 香港のスーパーマーケットのワイン売り場

品揃えは800種類程度。スパークリングワインの品揃えも50種類を超える。

このスーパーマーケットの隣にはワイン専門店がある。


一方、業務用市場よりはるかに大きい市場である家庭向きの一般ワイン消費市場では、相変わらず旧態然とした消費者の意向はほとんど無視した小売形態が続いています。

たとえば香港の年間のひとり当たりのワイン消費量は6リットルを超えています。日本は2リットルです。香港のワイン市場が活況を呈し始めたのは、2008年に香港がワインの関税をゼロにしてからです。以来香港は、アジアのワインハブとしての地位を確立したと言ってよいと思います。

香港の中心地区では、徒歩5分圏内に数店のワインショップを見ることができ、ワインの品揃えも消費者目線でとても良いと思います。またスー パーマーケットでは、800種類程度のワインが売られ、スパークリングワインの品揃えも50種類を超えています。

おそらく日本のスーパーマーケットで、こう したワインの 売り場展開をしているところはきわめて稀だろうと思います。殊にスーパーマーケットの皆様は、一度香港にでもお出かけになって、ワイン販売の現場をご覧になってみるという のもよろしいのではないでしょうか。

こうした香港でのワイン消費量の増加 を見ると、ワインは買われるものではなく、売っていくものだということを痛感します。

日本の消費者は、ワインが嫌いで買わないわけではありません。積極的に買える環境が身近にないので買っていないだけだと思います。

業務用市場は参入も多く、工夫もあって消費者を引き付けています。それに対し、一般小売市場は発掘されていないまさに宝の山です。消費者がまた行ってみようと思う、楽しくワインが買える、魅力のある売り場の出現が期待されます。

(伊藤嘉浩)



【関連ページ】

2014年のワイン界の展望

2012年のワイン界の展望
2011年のワイン界の展望
2010年のワイン界の展望

ワインのアルコール度数をめぐる議論
ワインの高アルコール度化からの回帰はあるのか』

日本のワインマーケットは成熟しているのか
ワインは売るのにそんなに難しい商品か
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レストラン・バーのワイン戦略
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