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Home >Tasting > 問題のあるワインを見極める 【第1回】 毎年世界中でおびただしい数のワインが造られ、世界中を流通しています。そのうちの一部が日本にもやってきて、さまざまな場面で愛飲されています。しかし、世界を流通しているワインのすべてが品質を維持しているかというと、どうもそうとは言い切れないようです。 ワインは味や風味が多様で、1本1本の個性が異なっています。それがワインの面白さでもあるのですが、そのことがワインを複雑にしているともいえます。風味や味の多様性の中で、飲み手の多くに不快感や違和感を与えるワインも中に存在します。原因はさまざま考えられますが、こうしたワインは消費者にとっては好ましくないワインといえるでしょう。 どんなワインが問題のあるワインであるのか それぞれのワインが持つ個性はバラエティに富み、風味や味が異なるのが普通です。異なるといっても巾があり、微妙に異なるものからずいぶん違うと感じるものまでさまざまです。個性の巾の大小がポジティブな場合は良いのですが、なかにマイナスの要素を持ったワインが存在します。こうしたワインを見極めるということは、特にワインの流通・販売に関わる者にとっては重要なことです。ではどんなワインが問題のあるワインといえるのでしょう。 この部分はそのマイナス要素の出方の大小によって、世界のワインテースターのなかでも完全な一致を見るというわけではありませんが、その要素が強く出ている場合は問題ありとみなされるワインです。その問題とされる要素のうちの代表的なものを挙げてみましょう。
などがその代表です。今回【第1回】では、そのうちの(1)〜(3)の項目について簡単に見てみましょう。 (1)酸化しているワイン ワインの酸化の原因は酸化がどの段階で起こったかによりさまざま考えられます。そもそもワイナリーでワインを瓶詰めするときにワインがすでに酸化していれば、出荷されたすべてのボトルは酸化していることになります。流通している段階のどこかでたまたま酸化が起こることもあり、その場合はボトルによって酸化していたり、そうでなかったりということも起こります。 ただし酸化しているワインのすべてが悪いというわけではありません。Sherry(シェリー)やMadeira(マデイラ)などは、酸化の風味こそがその特徴となっています。しかし通常のテーブルワインでは、かすかな酸化は特に赤ワインの場合には、個性を与えるとして許容される場合もありますが、一般的には酸化の香りは問題視されるでしょう。 (2)コルクテイント(cork taint)/ブショネのあるワイン コルクテイント(ブショネ)のにおいは、ワインにとってプラスにはたらくことはまったくないものですが、意外にその検知は市場関係者の中できちんとなされていない印象を受けます。ワイン生産者はコルクテイントが起こるとわかっていてワインを出荷するわけではないので、この現象は事後的に起こります。 もし使ったコルクのすべてに問題があれば、すべてのボトルが汚染されます。しかし一部のボトルだけに起こることが多く、インポーターの段階ではチェックしづらい現象です。特にレストランなど、消費者の目の前でボトルを開ける現場では、ワイン提供者はコルクテイントを識別する必要があります。 (3)イオウ化合物(主に硫化水素)が強く出ているワイン 硫化水素(Hydrogen Sulfide : H2S)という言葉を聞くと、そんなおどろおどろしいものがワインの中に入っているのか、という拒絶反応が聞こえそうですが、この物質は発酵過程などいくつかの場面でワインに多かれ少なかれ現れうる物質です。 しかしその量が多すぎると不快なにおいとしてとらえられるため、ワイナリーでは対処しなければならない要素です。この硫化水素の生成に対処せず放置すると、このにおい成分はさらに強烈なにおい成分へと変化し、対処不能に陥ります。 ただしこれもごく少量の場合は、かえってワインに個性と複雑さを与えるとして許容される場合もあり、ワイン生産者の一部は必ずしも問題だとは考えていない場合もあるようです。またShiraz/Syrah(シラーズ/シラー)など、H2Sが発生しやすい品種があることも指摘されています。 しかし硫化水素の存在は、その生成量が許容度を超えるとワインとしての品質を問われることになる物質です。H2Sをきちんと判別するということは、そのにおい(あるいは香り)の程度を判断する上で(つまりそのワインを許容するかどうかを見定める上で)重要なことです。 消費者の皆様へ 今回ここに取り上げていますのは、問題のあるワインとその原因についてですが、こうしたワインに消費者の皆様が頻繁に遭遇するかというと、その頻度は低いと言っていいと思います。しかしもし不幸なことに、そうした問題のあるワインに当たってしまったときは、がっかりすることになってしまいます。 そうしたがっかりに消費者の皆様が出会うことがないように、ワインを提供する側は、事前に品質を吟味してワインをふるいにかけておく必要があるのです。多くの消費者の皆さんは、問題のあるワインに接したときはその原因はわからなくとも、何か変だとか何か違和感があると感覚的、直感的にお思いになります。いつもなら1本おいしく開けられるという方などでも、こうしたワインは飲み残したり、最初のひとくちふたくちで飲むのをやめてしまったりということも起こります。 こうしたワインを飲んだからといって、健康上の問題が発生するということはありません。そこは安心していただいてよいのですが、ただワインとして最低限クリアしなければならない品質をクリアしていないため、お客様の多くが不満をいだくであろうワインだということなのです。 ワインに問題があるというのは、ワインの醸造・製造段階の話であり((1)の酸化に関しては必ずしもワイナリーの責任だとは言い切れない場合もありますが)、ワイナリーに責任があります。 しかし、問題のあるワインが出荷されているのは事実であり、日本にもそうしたワインが上陸していますので、そういうワインが消費者の皆さんの手に渡ることがないように、流通の各段階で選別する必要があるのです。特にインポーターにはきちんとしたテースティング能力が求められます。 次回は残りの3つの問題
について触れることに致します。 (伊藤嘉浩 2007年11月) 『問題のあるワインを見極める 【第2回】』にすすむ。
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