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2019年のワイン界の展望  2019年1月6日


【世界のワイン界】

◆ ワインの生産部門

2018年の世界のワイン生産は、過去50年来最低だった2017年から一転回復し、個別の事情はあったとしても、質量とも世界的には満足のいくヴィンテージでした。特にシャンパーニュやブルゴーニュでは、傑出したヴィンテージとなったと多くのワイン生産者が言っています。

南半球のワイン産地・チリやアルゼンチンでも、2017年比でチリで36パーセント増、アルゼンチンで23パーセント増となって、ワイン生産は回復しています。またオーストラリアはわずかに減少していますが、ニュージーランドは上昇、アメリカは安定的な作柄となっています。

2019年から2020年にかけては、これらのワインが市場に登場することになりますから、供給面では世界市場は安定的だと見てよいでしょう。また品質においても、良質なワインが供給されることになると思います。


◆ 世界のワインの流通・消費

世界のワインの流通・消費に目を転ずると、ワインの消費をけん引するのは、引き続きアメリカと中国ということになるでしょう。中国のワイン消費は一時に比べ、伸びは鈍化してはいるものの、相変わらず消費は旺盛で、特にここ数年オーストラリアワイン(フランスに次いで2位)の急増が目を引きます。

アメリカ市場も過去20数年の連続成長を記録していて、世界最大のワイン消費市場として2019年も存在感を示すことになりそうです。

ワインの世界マーケットは、ヨーロッパでの消費の減少傾向とアメリカ・アジア地域での消費増大が継続しています。2019年も引き続き、同じ傾向が続くと見られますが、とりわけアジア地域は中国・香港を中心に、引き続き大きな注目が集まるところだと思います。

2018年は、世界最大級のワイン会社・アコレードワインズ(Accolade Wines)が買収されたり、スペインのカヴァの老舗Codorniu(コドニュー)とFreixenet(フレシネ)が相次いで買収されたり、ボルドーのChâteau Petrus(シャトー・ペトリュス)の一部が売却されるなど、大きなワイン資本の移動がありました。

2017年には、ブルゴーニュの銘醸Clos de Tart(クロ・ド・タール)やボルドーのChâteau Haut-Batailley(シャトー=オー・バタイエ)が買収されるなど、買収劇が相次いでいます。

2019年も引き続き、世界のワイン資本には何か大きな動きがあるかもしれません。近年特に世界の大資本によるワイナリーの買収・グループ化が見られ、資本集中が始まっているように見えます。注視して見ていきたいと思います。


【日本のワイン界】

日本のワイン消費は、ここ3年ほどは私の眼にはかなり停滞しているように見えます。メディアなどでは“第〇次ワインブーム”などという語句が躍りますが、果たして本当に日本のワイン市場は活況を呈しているのか、というのが現場の感覚としての実感です。

500円近辺のいわゆるワンコインワインなどと呼ばれる価格帯を中心に、低価格帯のワインは数字を維持していると思いますが、それ以上の価格帯、いわゆるファインワインについては、前年実績を追いかけるのがやっとというのが私の現場感です。

日本のひとり当たりのワイン消費量は、未だ2リットル台です。これは世界で100番目程度の少なさです。日本のワイン消費量は減ってはいませんが、30年かかってようやくひとり年間2リットル台の消費になったという伸び方です。

確かに日本には非常に熱心なワインファンが存在し、日本のワイン市場は世界市場から見ても、ブルゴーニュやシャンパーニュ、ボルドーといった高額なワインが売れる市場です。日本にはコアなワイン支持層があるものの、なかなか発展性に乏しく、ワインがごく一般の日常的な飲料として飲まれる風景が見られないというのが大きな課題として指摘されます。

2019年は、ワインがゼロサム的なマーケットから脱皮し、もっとアクセスしやすい一般的な消費財となることを期待したいと思います。

2017年12月、日本はEUとの間のEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)を妥結しました。2019年2月には協定が発効すると見られますが、これによりEUからのワインの輸入関税は即時ゼロとなります。

これまでEU各国からワインを輸入する際には、「輸入原価(CIF価格)の15%または125円/ℓのどちらか安い方」の関税が適用されていましたが、この関税が撤廃され、さらにそれに見合う消費税も下がることになります。

この関税撤廃は、価格の安いワインほどその恩恵を受けることになりますが、いずれにしても2019年以降は、EU諸国内から輸入されるワイン価格は明らかに下がります。(為替変動は別として)

チリとオーストラリアのワイン関税もほぼゼロに近くなっていて、これで日本に輸入されるワインの大半が関税ゼロになってきます。これは当然流通・小売価格に反映されますから、ワインが以前より買い求めやすくなることになります。

2019年はワインの流通・販売各層で、その価格引き下げアナウンスメント効果を利用してワインプロモーションが展開され、ワイン市場の拡大に寄与することが期待されます。

また逆に、2019年10月には消費税が10パーセントになるとされていますから、租税転嫁についてのマーケット行動・消費者行動が気になるところです。

ワインを含むアルコール飲料全体がどの流通チャネルで売られているか、つまり消費者はどこでアルコール飲料を買っているかというと、2016年の国税庁の統計ではスーパーマーケット(37.7%)、CVS(11.3%)で、アルコール全消費量の半分はスーパーとコンビニを通じて販売されています。

一般酒販店は13.3%、ディスカウントストア(12.0%)、業務用酒販店(10.1%)などとなっています。

『酒類小売業者の販売状況―業態別小売数量 2016年(国税庁)』(文末リンク)

こうしたアルコール飲料全体の流通の中でワインも販売されているわけですが、ビールや清酒といった成熟カテゴリーと違って、ワインには工夫次第で大きな伸びしろがあります。ビールや清酒市場では市場縮小が大きな問題ですが、ワインには顕在化していない大きな潜在市場が眠っています。

このまだ数字になっていない大きな市場を、2019年はマーケット参加者が顕在化していく年であると良いと思います。


◆ 日本ワインについて

2018年10月末、国内産のぶどうだけを使って醸造されたワインに『日本ワイン』という表示ができるようになりました。これは、それまで国産ワインとして流通していたワインの中身がどうなっているのか明確に区別する表示法がなかったのを、国内産のぶどうだけを使ったワインを明確に区別しようとするものです。

従来『国産ワイン』と呼ばれるワインでは、国外から輸入された濃縮果汁やぶどう果汁を国内で発酵させたものが多く、それらにバルクで輸入したワインをブレンドしたワインも含まれていました。

今回の措置で、『日本ワイン』では原料ぶどうの産地を日本産か海外産かを区別することができるようになりました。

このことは、ワインの原料であるぶどうの出所を消費者に明らかにするといううえで、透明性が増したと言えます。ただしかしここで注意しておかなければならないのは、『日本ワイン』の表示というのは、確かに原料ぶどうは日本国内で調達されたことを示していますが、ワインの品質を保証しているわけではないということです。

日本では近年、ワイン生産に参入する人たちが増え、日本全国でワイナリーの数は300近くを数えます。確かに非常によくできたワインも現れていて、過去に比べて日本のワインの品質は良くなっていると思いますが、それでもまだかなり厳しいというワインも多いようです。

ワインの良し悪しはぶどうの良し悪しで決まります。それですから今後『日本ワイン』には良質なぶどう供給が求められます。それにはぶどう栽培者が、ワイン用のぶどうの栽培を勉強し、研究を重ねる必要があると思います。

現状日本では、ワイン用のぶどう栽培の情報は極めて限られているように思います。ですからまだ多くのワイン用ぶどうの生産者が、試行錯誤的なぶどう生産を行っているのはやむを得ないかもしれません。

日本人は勤勉で、細部をおろそかにしない真面目さを持っています。日本のワイン用ぶどう栽培に有用な現場実践情報と知見がもっともたらされ、その実践が広がっていけば、日本のワインの品質は必ず向上すると思います。

ぶどうの品質が向上すれば、この先日本は素晴らしいワイン生産国となっていくと確信します。

ワールドファインワインズは、ぶどう・ワイン生産からワイン流通・販売・マーケティングまで、幅広くワインのサポートをしています。是非ご活用くださいますようお願いします。

(伊藤嘉浩 2019年1月6日)


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(文末リンク)
酒類小売業者の販売状況―業態別小売数量 2016年(国税庁)



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