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Home > 2015年のワイン界の展望 2015年1月6日 【世界のワイン市場】 アジアへの期待 2014年の世界のワイン界のひとつの大きな変化は、それまでの急拡大路線から一転、中国へのワインの出荷が減り、前年割れとなったことが挙げられます。これは、中国国内で行われてきた過剰な贈答や付け届け・接待が粛清された結果だと見られています。 世界のワイン生産者から中国に対する期待は依然大きいものがありますが、昨今はそれに加えてアジア地域全体にワインの消費増を期待する空気が見て取れます。具体的には、タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシア・シンガポール・台湾などです。日本もその中に入っていて、期待は大きいようです。 アジア地域のワイン消費はまだ非常に少ないのですが、地域の経済成長への期待が世界のワイン界の間にはあるようです。香港の地域におけるワインハブとしての役割は、更に大きくなるのではないでしょうか。 ワインスタイルの変化 この2〜3年ほどで起こってきている変化に、ワインのスタイルの変化があるように思います。ワインは今や世界中で造られていますから、それらのワインがどれも共通の変化をしているとはとても言えませんが、市場で見られるワインのスタイルが、それ以前と比べて変化してきているように見えます。 全体的な変化の印象としては、これまでの高いアルコール度数を背景としたしっかりとした強いワインから、ニュアンスを求めるワインが少しずつ出てきているように思います。この変化は急激には起こっていないと思いますが、この2年ほどでそうした傾向が強まっている印象を受けます。今年2015年は、更にその傾向が顕著になるのかどうか、注視したいと思います。 ただすべてのワインにこの傾向が見られるというわけでもなく、例えばBaroloでは、逆にクラシックなかたいワインへの回帰が見られますし、例えばMeursaultなどでは従来の古典的なミュルソー特有の樽を使ったスタイルから、樽を抑えたかっちりとしたワインも多くなってきています。 ワインの変化は、局所的にみられることもありますから一般化はできませんが、数年前までとはまた違ったワインのスタイルになってきているかもしれません。 ワインの需給とワイン貿易 過去3年ほど、天候不良の影響でヨーロッパのワインは収量が減りましたが、世界全体で見るとワインの需給バランスが崩れるということは恐らくないと思います。 それよりも世界経済の動向による変化がより大きいと言えると思います。ワイン流通の現場が最も注視するのは為替の変動でしょう。2015年を通じて、ワインの決済通貨の為替相場がどう動くのかは、輸出側・輸入側とも大きな関心事となるでしょう。 更に、各国間でのFTAやEPAの合意がワイン貿易に与える影響も、今年2015年から段階的に出てきます。オーストラリアワインは今年2015年から日本(2022年)と中国(2019年)で段階的に輸入関税がゼロになっていきます。また2014年、韓国はニュージーランドとFTAを締結し、ワインの関税はゼロになります。(韓国ではすでにアメリカワインの関税はゼロです。) また、環太平洋連携協定(TPP:Trans‐Pacific Partnership)のゆくえと、アメリカとEUの間で行われている自由貿易協定U.S.-EU Free Trade Agreement (TTIP:Trans-Atlantic Trade and Investment Partnership)の成り行きは、世界貿易に大きな影響を与えることになります。合意されれば、近い将来の世界のワイン貿易に大きなインパクトを与えることになるのは確実です。 【日本のワイン市場】 日本のワイン市場は、過去10数年という長きにわたって、成長がないという時代が続いていました。しかし昨年ごろから上向き傾向が表れてきています。なぜここにきて長年の低位での推移から変化が見られるようになったのか、その原因を明確に指摘することはできないでいます。しかし現場感としては、上昇してきているように思います。 中でも明らかだと思われるのは、これまでワインを飲んでいなかった人たちが、新規にワインを買い出したということは指摘できると思います。それまでの10数年間、日本のワイン消費量に変化は見られなかったところに、突然上昇が見られるようになったのは、これまでワインを飲まなかった人たちの数字がプラスされたと考えるとつじつまが合いそうです。 日本のワイン業界は、久々に訪れたこの増加トレンドを大事に継続させることが重要です。ワインになじみがなかった消費者への、丁寧な対応が求められます。この方々は、近い将来のワイン市場の中核を担う方々です。この10数年間、日本のワイン市場にはワインを新しく飲んでみようという人たちは、それほど顕著に現れませんでした。少し乱暴ですが、大枠では日本のワイン消費は、既存のワイン購入者の中で推移してきた、いわゆるゼロサムの市場だったと言えるのかもしれません。 今年2015年は、そうした新しい消費者層が定着するかどうかの大事な一年となるのではないでしょうか。 日本のワイン生産 昨年の『2014年のワイン界の展望』では、『ワイン特区』の増加と新規ワイナリーの参入を指摘しましたが、ここ数年はそうした傾向が続くのではないかと思います。しかし見ておりますとワイン特区と言っても、フルーツワインの生産をしようという特区が多く見られ、必ずしも普通のワイン醸造だけが増えるということでもなさそうです。 私見ですが、ここ数年で国産ブドウだけを使った白ワインは、それ以前に比べ、良くなってきているように思います。しかし赤ワインについては、一部に良いワインも見られますが、全体的にまだ厳しいワインが多いという印象です。これはやはりぶどうの問題で、ぶどう栽培に注力する必要があろうかと思います。 ワインは日本固有の酒ではなく、世界商品です。ワインは土地の個性が反映される、と言うのに異論はありませんが、少なくとも世界的な基準で品質を満たす必要があろうかと思います。日本のワイン造りがガラパゴス化することなく、ぶどう栽培・ワイン醸造において世界から学ぶということは、極めて重要なことだと思います。 世界中にこれだけワイン産地が拡散し、しかもそれぞれこれまでワインとは全く無縁だった土地・地域から優れたワインが産出されているという現実を見た時、世界で日本だけがワインを造るためのぶどうの栽培とワイン醸造に向いていないということは考えづらいことです。 日本のワイン生産者の皆様に、強い期待をしたいと思います。 (伊藤嘉浩)
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