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2018年のワイン界の展望  2018年1月6日


【世界のワイン界】

◆ ワインの生産部門

近年の世界のワイン界を見るうえで重要だと思われるのは、世界規模で起こっている気候・天候の異変です。2017年のワインの世界生産は、過去50年来最低の水準となりました。

ワインには何といっても原料であるぶどうの作柄が最も大きく影響します。それは品質と量の両面から大きく影響します。特に2017年は、ヨーロッパの主要ワイン生産国であり、世界の半分のワインを産出するフランス・イタリア・スペインで大幅な収穫減となり、1961年以来の最低水準となりました。

単年の急激なワインの生産量の落ち込みが、どれほどマーケットに影響するかは様子を見てみなければなりませんが、2018年はそれらのワインが市場に供給され始めますから、局所的に需給が乱れる場面があるかもしれません。特にバルクワイン市場に影響が出るかもしれません。

このところ毎年のように世界のどこかのワイン産地で起きている雹や霜害、熱波の襲来、洪水や火災の発生など、その影響範囲は局所的なものから広域なものまで、過去に比べて明らかに発生頻度が多く、ワイン生産への影響がかなり顕在化していると言えます。

2018年には何が起こるのか予測はつきませんが、地球規模の気象・気候変動が、非常に大きくワイン界に影響を及ぼしているのは確かだと思います。


◆ 世界のワインの流通・消費

2007年頃から世界市場に登場し、急拡大してきた中国のワイン消費傾向も、少し落ち着いてきたように思います。しかし相変わらず中国・香港のワイン市場への世界のワイン界からの期待は大きく、中国のワイン消費の中身がどう変わっていくのかは関心の的となるでしょう。

また20年以上にわたって継続的な成長を続けて、世界最大のワイン消費国であるアメリカ市場にも、引き続き各ワイン生産国からは大きな期待が寄せられることだと思います。現在の世界のワイン市場は、中国とアメリカという2大大国がその消費をけん引しています。

2017年にはアメリカがTPPから離脱するという事態となりましたが、現在世界各国間・地域間でFTAやEPAといった貿易の枠組み作りが進んでいます。2017年12月、日本とEUの間のEPA(Economic Partnership Agreement)が4年以上の交渉の結果、妥結しました。2018年はTPPも含めて世界各国間の貿易の枠組み作りのなりいきが注目されるところです。


【日本のワイン界】

この2年ほど、数字の上では日本のワイン消費量の総量自体は若干は伸びていると思いますが、伸びているのは500円近辺のいわゆるワンコインワインと呼ばれるカジュアルなワインのセグメントで、それ以上の価格セグメントでは前年を追いかけるのがやっと、というのが私の現場感です。

これまであまりワインと接点がなかった人たちが、まずはカジュアルなワインを買って飲んでみようというのは、とても良いことだと思います。それは日本のワイン界で行われるべきは、まずはワイン人口を増やすということだと思うからです。

しかし残念ながら、そうした人たちを次のステップに導くということがなかなかされていない、というのが私の正直な感想です。私は高額なワインを売るように誘導しようと提言しているのではありません。次のステップというのは必ずしも高いワインのことではなく、ワインの面白さ・楽しさへ消費者をいざなうという行為です。

ここ数年にわたって、世界のワイン市場で見られるワイン消費の大きなトレンドは、例えばProsecco(プロセッコ)の爆発的ともいえる消費増であったり、いわゆるオレンジワイン(orange wine)であったり、ロゼワインの大きな消費増であったりしますが、今のところそうした動きは日本では限定的です。

こうした世界トレンドを追うことが良いかどうかは議論があるところですが、そうしたトレンドの背景にはマーケット側の思惑・仕掛けが大きく働いているかもしれず、ワインの供給側がマーケットをドライブしているという側面も見られるようです。日本ではどうでしょうか。

ワインの消費に関しては、特に日本のような未成熟な市場では、消費者は常に受動的です。日ごろあまりワインに関心を持たない消費者層に向けての、有効な情報提供が行われると良いと思います。

ワインを含むアルコール飲料全体がどの流通チャネルで売られているか、つまり消費者はどこでアルコール飲料を買っているかというと、2015年の国税庁の統計ではスーパーマーケット(37.4%)、CVS(11.3%)で、アルコール全消費量の半分はスーパーとコンビニを通じて販売されています。(文末リンク)

一般酒販店は13.8%、ディスカウントストア(12.2%)、業務用酒販店(11.6%)などとなっています。

ワインが応分にそのルートで売られているとも思いませんが、しかし一般的な消費者が何か酒を買おうとしたときに行くであろう売り場は上記の通りだということです。

ワインという商品は、ワンコインワインのようなカジュアルなワインは別として、大多数のワインは並べておけば黙って売れていくというわけではありません。ワインという商材は、販売側の工夫がいる商品です。

その工夫次第で、ワインというのは面白いように売れていきます。もしワインも上記の統計のように、大半がスーパーマーケットやコンビニ・その他量販店で買われているとすると、彼らはみすみす本来あるべき大きな売り上げを、無策の中で逃しているということになります。

2018年は、そうしたワインという商品が持つ特性に呼応して、売り場戦略と売り場戦術、商品戦略を展開する企業の登場を期待したいと思います。またその部分に手を付けるには、何といっても優れた人材の育成と登用が急務でありましょう。

ワインの貿易環境に目を転じると、2017年12月に日本とEUの間で、EPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)が妥結されました。

それによると、日本へのEUからのワインの輸入関税は、条約が発効されれば即時撤廃するとなっていますから、これは日本のワイン界にとって大きなインパクトがあると思います。

現在EU各国からのワインを輸入する際には、「輸入原価(CIF価格)の15%または125円/ℓのどちらか安い方」の関税が適用されており、この関税が撤廃され、さらにそれに見合う消費税も下がることになります。

日本に輸入されるワインについては、すでにチリとオーストラリアのワインの関税が段階的に引き下げられつつありますが、EUからのワインにかかる関税は即時撤廃で、EU諸国からのワイン輸入のほうが早く関税ゼロとなりそうです。

ワイン関税撤廃の効果については、価格の低いワインほどその恩恵を受けることになりますが、ワインの輸入原価が下がることは確かです。

高価格帯のワインでは、低価格帯のワインほどの関税引き下げによる実際の価格引き下げ効果はないかもしれませんが、『EUからのワインの関税撤廃』というアナウンスメント効果は大きいのではないかと思います。

条約の発効は2019年と見られていますが、2018年にはそれを見越したワインマーケットの動きが活発化すると思います。


◆ 日本産のワインについて

ここ数年、日本でワインを造ろうとする人たちの参入が増えています。それと同時に、日本産のワインに興味を示す消費者も増えてきていると思います。これまでワインというと外国産で、横文字だらけで何が何だかよくわからないと言って敬遠していた人も、日本のワインなら手にしやすいのではないでしょうか。

この日本ワインの流れは、是非大切にしたいものです。この良い流れを一時のブームにしないために、ワイン生産者とそれを担う流通各層は、良質なワインを扱っていく必要があろうと思います。

白ワインに関しては、日本産のワインはずいぶん良くなっていると思います。しかし赤ワインについては、優れたものも見られるようになっていますが、全体的には一段のレベルアップが望まれるところです。

赤ワインの場合は、ぶどうの品質と個性そのものがワインにより具現化されますから、ぶどう栽培こそが最重要の眼目となると思います。日本は生食用のぶどうの栽培技術は極めて優れたものがあると思いますが、ワイン用のぶどう栽培についてはまだ試行錯誤のところが多く、いろいろな場面で改善の余地がありそうです。

国産ぶどうを使った日本産ワインを造るワイナリーは、圧倒的に小規模のワイナリーが多く、生産量も少ないため、一部で“まぼろし化”しているなどということも聞きます。

ワインメーカーにとって極めて重要なことは、良いワインを造る、ということです。今はもしかしてたまたま需給バランスで“まぼろし化”しているとしても、全体のワイン供給が増えて消費者にワインがいきわたり始めれば、日本の消費者は明らかに品質でワインを選びます。

今まだ日本のワイン造りは産声を上げているところです。特にぶどうの栽培領域を最重点に取り組まれると良いと思います。


2018年、日本のワイン界ではいろいろなことが起こりそうです。注視していきたいと思います。

ワールドファインワインズでは、皆様のサポートをさせていただいています。どうぞいつでもご遠慮なくご連絡ください。お待ちしております。

(伊藤嘉浩 2018年1月6日)


(文末リンク)
酒類小売業者の販売状況―業態別小売数量 2015年
(国税庁)



【関連ページ】

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