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Home >Wine Talk Home >Markething 消費者からのワインに関する20の質問―ワインのプロが向き合うべき重要事項 今回はまず『ワインに関する20の質問』をご覧いただければと思います。(『ワインに関する20の質問』は別のページに、いくつかの項目にはリンクを設定して掲載していますが、本稿ではその項目のみを掲載します。)
ここに掲げますのは、ワイン売り場などで実際に消費者の皆さんからしばしば発せられる、ワインに関する質問・疑問の代表的なものです。これらの問いは、特に深い意味もなく、その場の思い付きのように何気なく発せられることも多く、言われた側も軽く受け流しているかもしれません。 しかしよく考えてみますと、これらの疑問・質問はワインの本質をついていて、実はそう簡単に答えられるものではないということに気づかされます。実際これらの質問は、『空はなぜ青い』『木の葉はなぜ緑』的な質問で、日ごろワインに親しく接している人たちにとってはあまりにも日常的で常識的であるので、今さら何をということになるかもしれません。 ですがこれらの消費者からの何気ない問いかけは、ワインの本質と根源を問うているもので、回答の難度としては、最高レベルにランクされるものも多いと思います。それぞれの項目をきちんとさらうには、ひとつにつき何時間もの密度の濃い時間が必要となることでしょう。 ◆ 消費者からの質問は、実は極めて高度 ワイン界にはMaster of Wine(マスター・オブ・ワイン)というタイトルがあります。これは、世界のワイン界で最も称賛されるタイトルだと目されていますが、この『20の質問』は、マスターオブワインの最終選考レベルの設問も多いと言えます。 大げさな、と思われるかもしれませんが本当です。たとえば(2)の質問、 『赤ワインって飲むと渋いけどどうして?あれはいったい何?どうして白ワインは渋くないの?』 これをMaster of Wine的な問いに言い換えれば、 『ワインのタンニンの組成とそれがワインに与える影響を栽培・醸造と味覚評価の観点から考察せよ。』 というような感じになるかもしれません。何やら難しく言い換えましたが、問うている本質は同じです。 これにきちんと向き合うと、そもそもタンニンとはから始めることになりますし、タンニンの由来、それぞれの種類のタンニンの持つ特徴、タンニンがワインの品質にどうかかわるのか、それがどう味覚に反映されるか、タンニンの素性をどう判定するか、時間の経過でタンニンはどう変化するのか、etc,etc。きりがありません。 私はワインを学術的に勉強するなどということを勧めるものではありませんが、しかしこうしたことを理解して、テースティングに望まれると、おのずからテースティングが変わってきます。 以前マスターオブワインの試験に『ビオディナミのワインについて考察せよ。』という問題が出たとご紹介したことがありましたが、これなども最近よく消費者の方から『ビオディナミって何?』と聞かれるのではないでしょうか。これは消費者からの問いが、全くそのままマスターオブワインの設問となっています。 『ワインに関する20の質問』 (15)ラベルを見ただけで中身が大体どんなワインかわかるものなの? 2014年のMaster of Wineの設問では、 『ボトルの中に何が入っているのかということと、ボトルに何が書かれているのかということとでは、どちらがより重要だと言えるか。ワイン界はパッケージを真剣にとらえているか。』と問い、続いて 『ワインブランドの長期的な成功には、どんな要素が最も重要だと考えるか』 と問うています。(この2問は二者択一です。) 興味深い設問もあります。 『オーストラリアワインは、輸出市場を回復できるか』 1990年代から連戦連勝を誇り、世界のどの主要ワイン市場でもトップシェアを争うようになったオーストラリアが、このところ以前のような快進撃から一転、苦戦を強いられています。日本のマーケットの皆様には、なぜオーストラリアワインが世界市場でそれほど重要視されるのか、あまりピンと来ないかもしれませんが、世界のワインマーケットでは、今後のオーストラリアワインの動向は非常に大きなものがあります。この設問はそのことを問うています。この答えは、そのままオーストラリアワイン界に対する提言ともなるでしょう。 蛇足ながら、今回のMaster of Wineの中では、個人的に関心を持つ設問も多く、そのうちのいくつかをご紹介してみます。 『micro-oxygenation(マイクロオキシジャネーション)はバレルエイジング(barrel ageing)の代替となり得るか』 『価格訴求はワイン界にとって悪いことか』 『ワインは産業的(工業的)になりつつあるか』 『ワイン界はイノベーションに欠けているか』 『今日のワイン市場において、偽ワインの問題はどれくらい大きいと考えるか』 などです。 ◆ ワインのプロフェショナルが真に向き合うべき課題 『消費者からのワインに関する20の質問』は、どれをとってもワイン界で活躍されるすべての方々にとって、実は真剣に向き合うべき重要課題だと考えます。そのことを消費者が我々に教えてくれています。 消費者からすると、その場の思い付き的な質問も、短く正しくわかりやすく対応してもらえば、『へー、そうなの』ということになります。しかしこの『へー』の一言を言ってもらうのは実は並大抵のことではありません。 その昔『応仁の乱』というのがありました。受験生の皆さんは、『1467年・応仁の乱』と年号を記憶しているのだろうと思います。しかし、応仁の乱がおこった背景、それはどういうものであったか、それがその後の日本に何をもたらすことになったのか、歴史の中の位置づけ、なぜその争いが歴史的な重要性を持つのか、と言ったことを理解することが本来は重要なことなのでしょう。京都では『先の大戦』というと、今も応仁の乱のことを言うというジョークを聞いたことがあります。 Master of Wineの設問は、奇をてらったり、重箱の隅をつつくような暗記問題はありません。問われるのは、ワインの基礎的・根本的なことばかりです。ですがそれらの設問は、単なる表面的な事柄の暗記では回答不能と言えます。 Master of Wineのタイトルをとることを目的としなくても、およそワインに関わる領域におられる方々は、こうした基本的なワインの理解は是非されると良いと思います。 ワインのプロフェショナルと言われる方々にとって最も理解が必要なことは、それがワインのどんな領域の仕事であっても、『ぶどう栽培』『ワインの醸造・管理』『ワインの吟味(テースティング)』の3つです。この3つの最重要領域をないがしろにして、きちんとしたワインの仕事ができるというのは考えづらいことです。(もちろんワイン愛好家の皆様にそんなことが必要だとは全く思いません。) ワインの仕事をするうえで、上記の重要項目をきちんとさらわなくても、問題なく仕事ができているとお思いになっている方は多いかと思います。しかしワインの本質の理解の領域に足を踏み入れますと、これまでとは全く違ったワインの世界が見えてきます。 その領域に入られた方は、もう世界のどんなワイン専門家とも普通に話ができます。たとえそれがマスターオブワインであってもワイン醸造家であってもです。皆様のワインの世界が一変することだと思います。 ワールドファインワインズでは、こうしたワインの基礎的な部分のサポートに力を入れています。さまざまなサポートをご用意しておりますので、是非ご活用ください。 またマーケットで活躍される皆様にとっては、優れたマーケティング戦略・マーケティング戦術を持つことが極めて重要です。上記3領域とマーケティングは車の両輪だと考えます。この両輪がバランスよくきちんと回転しないと車はうまく走りません。是非合わせてご活用ください。
ワインについて気がかりなこと、サポートのことなど、どんなことでもお気軽に電話・メールなどでご連絡ください。お待ちしております。 (伊藤嘉浩 2015年6月) 本稿は、2014年9月に発行した『ワールドファインワインズ ニュースレター』に加筆したものです。『ニュースレター』のお申込みはこちらからどうぞ。
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