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ワイン発祥の地はどこ?-科学的解明進む  2012年12月17日


ワイン発祥の地はいったいどこか。いったいいつごろからワインは造られ、飲まれだしたのか。これまでの考古学的な検証に加えて、近年はDNA解析など科学的な手法がその解明に貢献している。

最新の研究で、ぶどうの栽培が始まったのは、現在のトルコのアナトリア(Anatolia)南東部であった可能性が高いと発表された。(アナトリアは、トルコのアジア側の地域)

この発表は2012年11月、トルコで開かれたEuropean Wine Bloggers Conferenceにおいて、José Vouillamoz博士とPatrick McGovern博士によって行われた。José Vouillamoz博士は、植物学者でありぶどうの遺伝子学者。またPatrick McGovern博士は、生物分子考古学者。

Vouillamoz博士は、当時の野生のぶどうと栽培されたとみられるぶどうには、DNAにわずかながらの違いが見られ、その混在が最も観察できるのはアナトリア南東部だという。このことは、その地で人間の手によるぶどうの栽培が始まったことを意味しているとしている。

ただし同氏らは、従来ワイン発祥の地と言われているグルジア(Georgia)やアルメニア(Armenia)、アゼルバイジャン(Azerbaijan)などのトランスコーカサスの地を否定するわけにはいかないとしている。

調査で、アナトリア南東部では野生ぶどうが多く自生していたことがわかっている。当時の人たちはそれを食べていただろうが、全部は食べきれず、何かの容器にぶどうを入れたであろうことは想像に難くない。そうすればそのうちのある部分はつぶれて、酵母によるアルコール発酵が起こるのは必然で、それによってできた液体(ワイン)に人々が強い興味を持ったのは当然と言えよう。

そうなると、いくら野生ぶどうが豊富にあったとしても、木に巻き付いた高所のぶどうを苦労してとるより、自分たちで栽培しようと考えるのは自然で、これがぶどう栽培の起源ではないかとしている。

2011年には、アルメリアで6100年前の世界最古のワイン醸造跡が発掘されている。研究者らは、ワインの発祥は今から6000年~8000年前、あるいはもう少し前にさかのぼるのではないかと見ている。



【関連ページ】

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『ワインの本質』




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