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人間の鼻は、1兆種類以上のにおいをかぎ分けることができるー研究で 【アメリカ】 2014年3月26日


人間の目は数百万の色を識別できると言われる。人間の耳は50万種類の音を聞き分けられると言われる。人間の鼻がかぎ分けられるのは、従来10,000種類程度だと言われていたが、その実証はなく、人間がどれくらいの種類のにおいをかぎ分けられるのかは実はよくわかっていなかった。

2014年3月に科学専門誌『Science』 に掲載された論文で、人間は1兆種類以上のにおいを識別できるとする研究が発表された。論文のタイトルは、“Humans Can Discriminate More than 1 Trillion Olfactory Stimuli”。発表したのはアメリカのロックフェラー大学(Rockefeller University)のAndreas Keller博士らの研究グループ。

実験は、128種類のにおい分子の中から混合したにおいのサンプルを用意し、128種類の中の10種類、20種類、30種類のにおい分子のどれかを混ぜたサンプルを被験者に与えた。

被験者は、その中のひとつのカテゴリーのにおいサンプル3本の中で、どれかひとつ違和感のあるサンプルをピックアップするよう求められた。(実際には3本のサンプルには同じ種類のにおい分子が入っているが、その配合割合が異なる。)

結果、26人の被験者のパフォーマンスは大きな開きがあり、90パーセント以上においをかぎ分けられた人は誰もいなかったが、サンプルの類似度が75パーセントを下回るサンプルテストでは、少なくとも半分の被験者がにおいの違いを指摘した。

こうしたテスト結果からKeller博士は、従来言われてきた人間のにおいの識別能力10,000種類という数字よりはるかに多くのにおいの識別能力を人間は有していて、人間は30種類のにおい成分の組み合わせからつくられた1兆種類のにおいの識別能力を持っていると指摘した。

Keller博士は、結果は控えめな数字で、今回は128種類のにおい分子を対象にしただけであるので、実際にはもっと多くのにおい分子が存在し、人間のにおいの識別能力は更に大きいものがあるはずだとしている。

(論文)
Humans Can Discriminate More than 1 Trillion Olfactory Stimuliの要約はこちら。

Science掲載の論文全文はこちらからどうぞ。



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