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女性を念頭においたワインマーケティングの重要性


 ワインはそのイメージとファッション性も手伝って、女性からは最も支持される飲み物のひとつです。また、生活環境の変化によって飲酒のシーンも家庭の内外ともに大きく変化し、今では男女の別なくお酒をおしゃれにおいしく楽しむ、というのが当たり前となっています。女性に満足される商品やサービスを提供することは、実際の消費の現場では非常に重要なテーマとなっていますが、しかし現実にはその対応は必ずしもうまくされているとはいえないようです。

 女性を念頭においたワイン販売は、少し意識するだけでずいぶんそのアプローチが変わり、しいてはワインの売り上げを増加させます。ここでは、なぜ女性を念頭においたマーケティングが重要で、それが売り上げにどう結びつくのかを考察していきます。


女性の味覚と男性の味覚

 ワインを販売する際に頭の片隅に入れておくと良いと思われるのは、ワインの選好に関して、女性と男性とではその好みに違いが出がちだ、ということです。一般論として、多くの場合男性は強くしっかりとしたワインへの選好を示すのに対し、女性は男性に比べより繊細でデリケートなものを好む傾向にあるといえると思います。すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、おおむね女性のほうが味覚に対して繊細な感覚を持っている印象を受けます。

 ワインを販売する環境を見てみますと、ワインを供給する流通・販売サイドは依然として男性を中心とした環境で、どうしても男性の視点でワインやマーケットを見がちです。レストランを含んだ小売の現場では、最近は女性スタッフも多くなってきていますが、それでも多くの場合ワインの仕入れは男性が担っています。

 男性は強くしっかりとしたワインを好む傾向にありますから、仕入れるワインも勢いそうした傾向が強まることはやむをえないことかもしれません。そのうえ自分の味覚がどのくらいの程度であるかということは客観的な比較ができませんから、どうしても自分の尺度を基準にワイン選びをして仕入れ、消費者にすすめる際もその基準ですすめます。しかしその基準が誰にでも当てはまっているかというと実はそうではありません。特に男性と女性ではギャップがある場合が多いようです。

 もしあなたが男性で、対応しているお客様が女性だったとき、もしかすると今自分がすすめているワインは、このお客様には強すぎるかもしれないということを頭の片隅に考え持っていたとすると、そのお客様にとっては大きなプラスであるかもしれません。

 これは女性がワインの品揃えをして、女性が男性に対して販売するときにも、逆のパターンで当てはまることが多いようです。女性は一般的に柔らかでどちらかというと軽いタッチのワインを自分の基準として仕入れる傾向にあり、品揃え全般も概して柔らかなワインが揃いがちです。強いタッチのワインを好む男性客にとっては、全般にやや物足りなさを感じる品揃えになっているかもしれません。

 男性・女性の潜在的な味覚感覚の違いを認識しておくことは、それぞれの消費者が持っている嗜好により近いワインを提供できる可能性が高くなり、消費者からより高い支持を受けることにつながります。消費者は、いつも自分の嗜好にあったワインを勧めてくれる店を高く評価します。


販売の現場での対応

 実際のワイン販売の現場で最も重要なのは、まずはお客様の要望を満足させるだけのワインのタイプの品揃えが出来ているかどうかということですが、そのうえで特に女性を意識した売り場の雰囲気作りは販売戦略上非常に重要です。

 たとえば消費者がワインを購入するに当たって、そのワインをおしゃれに飲んでいるシチュエーションを視覚的に連想させるようなちょっとしたディスプレイや照明、何か心和むような雰囲気作りなどは、ぜひとも演出したいものです。売り場の設定ではワインの陳列ばかりに目がいきがちですが、ワインを楽しむ雰囲気を演出することは、特に女性客に対しては大きな販促効果をもたらします。

 確かに売り場の広さの問題もあり、そんな場所があるならワインを並べたいという欲求はよくわかりますが、ワインは味覚と風味の魅力に加えて、雰囲気とイメージの商品でもあります。近年は特に女性からの関心が非常に強く、実際の消費も女性からの需要がとても強くなっています。これらのことから、女性を念頭においた販売戦略と販売戦術の実践は非常に重要で、消費者からの高い支持を受け、ワインの売り上げ増加に大きく寄与します。女性を念頭においたワイン販売の実践を是非お薦めいたします。



ちょっとコラム

 近年では女性のワイン醸造家も多くなってきていますが、ワインの醸造分野においても、男性が造るワインと女性が造るワインの間でタイプの違いが指摘されています。女性醸造家の草分けとしても有名なZelma Long(ゼルマ=ロング)も、男性醸造家と女性醸造家が造るワインのタイプに言及し、女性が造るワインのほうがより柔らかで繊細であると言っています。また同時に、もしワインスペクター誌のテースティングパネルに女性が何人かいたら、明らかに高得点をとるワインの顔ぶれは変わるだろうと発言しています。

 ワインの風味や味覚は感覚的なもので、確固たる決定的な基準が設定されているわけではありませんから、ワインのプロといってもつい自分の尺度を基準に話しをしがちです。しかしこと商売でワインをお客様に販売するというときは、そのお客さんの尺度を基準にワイン選びをお手伝いしたほうが、売り上げが増加するというのは理にかなった話です。



(伊藤嘉浩)



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