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ボルドー、AOCで複数の新品種を認定へー温暖化の影響で 【フランス】 2019年6月16日


ボルドーワインのふたつの大きなAOC、AOC Bordeaux とAOC Bordeaux Superieur(ボルドースペリュール)で、これまでは認められなかったいくつかのぶどう品種が、AOCの許可品種として、フランス政府の許可のもと認められることになった。

これらのぶどう品種は補助品種として、2019年6月にも最大で赤ワイン品種10種、白ワイン品種10種が認められる予定。

赤ワイン品種としては、Marselan(マルセラン:カベルネソーヴィニオンとグルナッシュの交配品種)、Castets(カステ:南仏品種と見られる)、Touriga Nacional(トリーガ・ナシオナル:有名なポルトガルの品種)、Vinaho(ヴィナーホ:ポートに使われるポルトガル品種)、Arinarnoa(アリナルノア:カベルネソーヴィニオンとタナ(Tannat)を交配させたボルドー品種)など。

白ワイン品種では、Petit Manseng(プティマンサン:南西フランス)、Albarino(アルバリーニョ:スペインとポルトガルの知られた品種)など。

近年の温暖化で、例えばメルロは早期に熟し、糖度(したがってアルコール度数)が上がりすぎる傾向が見られ、補助品種の導入はそれを補正することになるかもしれず、ボルドーワインのスタイルのアイデンティティを維持することにつながるとの期待から導入される。

新品種の導入は各ぶどう園で5パーセントまで、新品種のワインのブレンドは10パーセントまでと、新しい補助品種の導入には厳しい条件が付けられる。

新しい補助品種はラベルに表示されることはなく、それらの品種による補正によって、従来の伝統的なカベルネやメルロ、ソービニオンブランのワインとしてボルドーのワインが認識されることになるため、この点は議論があるところとなるかもしれない。

新し補助品種の導入は、2021年ヴィンテージから認められる予定。

【追記】(2019年7月2日)

2019年6月末、Bordeaux AOCと Bordeaux SupérieurAOCの生産者シンジケートは、全会一致で下記の7つのぶどう品種(4つの赤品種と3つの白品種)をAOCの許可品種とすることを承認しました。

【赤品種】

Arinarnoa(アリナルノア)
Tannat(タナ)とCabernet Sauvignon(カベルネソーヴィニオン)の交配品種で、グレイロット(grey rot:カビの病気)に感染しにくく、糖度が低く酸度が高い品種。色が濃く、骨格があり、タニックで複雑でアロマの持続性がある。

Touriga Nacional(トリーガ・ナシオナル)
ポルトガルを代表する品種。晩熟で、霜害や熱によるダメージのリスクが少なく、excoriose (別名dead arm)以外のほとんどのカビの病気に強く、アロマティックでフルボディの骨格のある、長熟が期待できるぶどう品種。

Castets(カステ)
忘れられたボルドー品種。grey rotやpowdery mildew、downy mildewなどのカビの感染にかかりにくく、色調が濃く、長熟するとされる。

Marselan(マルセラン)
晩熟のCabernet SauvignonとGrenache(グルナッシュ)の交配品種。霜害や熱に強く、grey rot, powdery mildewにもかかりにくい。色調が濃く、独特な品種。

【白品種】

Alvarinho(アルヴァリーノ:Albarinoとも言う)
スペインやポルトガルでよく見られる白ぶどう。アロマティックで糖度は高く上がらず、しっかりとした酸を持つ、フレッシュなワインとなる。

Petit Manseng(プティ・マンサン)
フランス・南西地方で多く見られる。晩熟でアロマティック。grey rotにかかりにくく、甘口のワインになることが多い。

Liliorila(リリオリラ)
Baroque(バロック)と呼ばれる品種とChardonnayとの交配品種。アロマティックなぶどうで、暑さによる白ワインのアロマの喪失をカバーすると期待される。ワインはアロマティックで力強く、花のような芳香があるとされる。

(伊藤嘉浩)

 



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