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フランス、世界のぶどう品種の保存のための新施設を移転建設へ 【フランス】 2016年1月26日


フランスは、世界中に存在するぶどう品種の種(しゅ)の保存のために、そのためにある現在の施設を新たな場所に移し、保存の安全性と充実性を確保する。この新施設は“ぶどう品種のルーブル”とも呼ぶべきもので、ぶどうとワインの多様性を将来世代にわたって引き継ぐという大きな目的のもと実行される。

現在この施設は南仏モンペリエ近郊にあり、Domaine de Vassalと呼ばれている。しかしこの地は海抜1メートルのところにあり、温暖化による海面上昇の将来不安があり、貴重なぶどうの種の将来にわたる保存が危惧されていた。

今回フランスは、施設を現在の場所から同じ南仏のナルボンヌ近郊のGruissan(グリュイッサン)のPech Rouge(ペシュルージュ)に移すことを決めた。この地は海抜30メートルで、将来にわたって地形的に安心だと判断された。

フランスのぶどうとワインは19世紀後半、フィロキセラ(Phylloxera)による大打撃をこうむり、多くのぶどうが絶滅している。それ以来フランスはぶどうの品種の保存に力を入れ、1949年に現在のDomaine de Vassalに、それまで保存されていた品種が移された。

現在では絶滅危惧種・希少種を含む7500種のぶどう品種が保存され、毎年世界中から80種類程度が新しく追加されている。

新施設では163ヘクタールを用意し、さらに陣容を充実させる。現在の施設から新施設にぶどうを移植することになるため、ぶどうの環境適合を心配する声もあるが、2017年には土地が整備され、それ以降5年をかけて移行させる計画だ。

新施設ではぶどうの遺伝子解析や温暖化への適合などの研究も行われる。



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