WORLD FINE WINES   on line
Wine Brokerage & Education Servises
ワールドファインワインズ                                                     for Wine Industry Professionals
HOME
WINE MAKING
VITICULTURE
TASTING
MARKETING
HAVE A BREAK
WINE TALK
ABOUT US

SITE MAP


ワインビジネスサポート 電話サポート  エデュケーションプログラム 専門資料のご提供
Google
WWW を検索 worldfinewines.com を検索




Home >

ボトリティスに有効な自然素材の抗カビ剤、市場投入へ 【イギリス・イタリア】 2014年12月1日


イギリスのEden Research社は、ぶどうの大敵であるボトリティス(botrytis)を、すべて自然界からの物質でつくられた素材で退治できる製品を開発し、その販売をイタリア・ミラノに本拠を置く化学会社SIPCAMとおこなうライセンス契約に合意した。

製品名は3AEY。3AEYはお茶の木の油分とレモンジュースからつくられる完全に自然素材の防カビ剤で、ミツバチにも影響を与えないという。

多くの植物は、外敵から自己を防衛するためにテルペン類(terpenes)と呼ばれる物質を発している。植物が持つエッセンシャルオイルにはテルペンが多く含まれるが、従来農業化学の分野では揮発性や植物毒性、不溶性などが障害となってあまり使われてこなかった。

Eden Research社は、それを特殊な技術で封じ込めることによって、環境に優しく、安全で効果的な自然素材の抗ボトリティス剤として開発することに成功した。この技術によって、アブラムシなどにも効果があるレモンジュースは従来12時間しか続かなかった効果が14日間も持続するようになった。

ミツバチの減少は世界的な問題となっており、EU委員会はミツバチの減少を食い止める目的で、ネオニコチノイド(Neonicotinoids)と呼ばれる物質の入った殺虫剤の使用を禁止してきた。

しかしその使用禁止が今年2014年で期限切れとなるため、大手化学会社を含め、環境に配慮を見せる会社はその延長を求めている。3AEYは、ネオニコチノイド系薬剤の代替となるとして期待がかかっている。

Eden Research社は、イタリアを皮切りにスペインなど、ぶどう生産地にSIPCAM社やその関連企業を通じて、同社の自然素材の農業防除製品を広めていきたいとしている。


 【コメント】

ぶどう栽培においては、病害虫の問題はぶどうの品質と収量を落とし、更には壊滅的なダメージを被ることもある、大きな問題として横たわっています。

一方ではオーガニックなぶどう栽培の実践も広がってきていますが、防除に有効な手立てが打てない現状もあります。

ボトリティス(botrytis)は、世界のワイン生産者が最も日常的に経験するぶどうのカビ被害ですが、こうした自然素材の防除剤が有効であるなら、費用対効果によるかもしれませんが、導入が進むかもしれません。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

フランスのぶどう畑の12パーセントが致命的な病気に感染、深刻な問題に 【フランス】 2014年10月27日』
ビオディナミのワイン生産者、殺虫剤不散布で訴追を受ける 【フランス】 2013年11月29日』

ピアース病(Pierce’s Disease)耐性のぶどう品種、2015年にも利用可能に 【アメリカ】 2013年12月25日』
カビの病気に耐性のあるぶどう品種を開発 【スイス】 2013年4月22日』
遺伝子操作ワインに関してワイン生産者間で二分 【ニュージーランド】 2013年9月7日』
ファンリーフウイルスに耐性のあるぶどうの開発 【ドイツ】 2009年7月10日
UC Davis 害虫に耐性のある台木を開発 【アメリカ】 2008年4月5日
オーストラリアの研究者、病気耐性の遺伝子操作ぶどうを開発 【オーストラリア】 2011年10月31日』

オーガニックワイン考
遺伝子操作ワインの出現で思う
ワインの品質を決定付けるものーぶどう栽培の重要性




Home >




       

| Home | Wine Making | Viticulture | Tasting | Marketing | Have a Break | Wine Talk | About Us | Site Map |
  WORLD FINE WINES  All Rights Reserved   プライバシーと諸条件