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オーストラリアの研究者、病気耐性の遺伝子操作ぶどうを開発 【オーストラリア】 2011年10月31日


オーストラリアの国立の科学技術研究機関CSIRO(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)は、ぶどうにとって深刻な病気であるミルデュー(mildew)に耐性のあるぶどうを、遺伝子操作によって開発したと発表した。

ミルデューにはダウニー・ミルデュー(downy mildew)とパウダリー・ミルデュー(powdery mildew)の2種類があるが、開発された遺伝子操作されたぶどうは、どちらのミルデューにも耐性を持つとされる。

研究では、北米原産種のぶどうからミルデューの持つ2種類の毒素成分に耐性を持つ、2種類の遺伝子を特定した。開発には10年の年月が費やされたが、この研究は実験室の中のみで行われ、屋外で行われてはいないという。

オーストラリアでは、遺伝子操作に対する抵抗感が強く、遺伝子操作技術を積極的に推進する環境ではないため、屋外の実際の栽培地での研究はできていないとしながら、シラーズなどいくつかのワイン用ぶどう品種に遺伝子を移植したと発表している。

研究者らは、オーストラリア国内の遺伝子操作作物への抵抗感に加え、主要な輸出先であるヨーロッパ市場が、遺伝子組み換え作物に対して敏感で、ヨーロッパ市場の考え方が変わらないと、遺伝子操作ぶどうの実際の導入は難しいとしている。

病気の耐性を持つ遺伝子操作作物については、一方で環境面などの見地から支持する意見もある。それは、遺伝子操作作物の導入によって病気が減ることは、薬剤散布の減少につながり、環境への付加や費用削減につながるとする見方だ。オーガニック農法の推進者の中には、遺伝子操作作物に対して肯定的な立場をとる者もある。



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