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オーストラリアのワイン界、遺伝子操作ワインにノー 【オーストラリア】 2006年2月12日


アメリカで遺伝子操作されたワイン酵母が導入されたことを受けて、オーストラリアのワイン界は遺伝子操作されたワイン酵母の導入を含め、遺伝子操作されたぶどうなどそれらの材料から造られるワインに対して反対する姿勢をあらためて示した。

オーストラリアはこれまでもワインに関する遺伝子操作について、特に研究機関を中心に学術的に議論が重ねられてきたが、アメリカ市場でML01と呼ばれる遺伝子操作された酵母が発売されたことによって、遺伝子操作された素材を使うことが現実味を帯びて来ることに対応した。

オーストラリアは、遺伝子操作作物の導入に対しては従来より反対の姿勢を示しており、その導入を認めるには、厳しいリスク評価や公的な検証がなされなければならない。ワインに関する遺伝子操作素材の導入をめぐっても、同様のプロセスを経なければならないのに加えて、さらに重要なことは、その安全性が確保されることと、一般の支持が得られるということが大前提となっており、少なくとも当分はオーストラリアに遺伝子操作されたワインが導入されることはないと見られる。

しかしながら、一方で遺伝子操作技術の潜在的な有用性を認める意見もあり、将来的なオーストラリアワインへの遺伝子操作素材の導入は、それらの素材を使ったときのリスクと便益のバランスによるとの見方もある。また、各国の導入状況もその判断に影響を与えることになるとする意見もある。

ML01に関しては、アメリカではUS Food and Drug Administrationが安全であると認定をしているが、その認定基準は国際標準となってはいない。ML01の導入は、オーストラリアワインにとって、もしかすると利益をもたらすことかもしれないが、導入に際してはオーストラリア政府の承認と、なによりそれを使ったワインが国内外の市場で受け入れられるかが重要で、安全性と市場の支持等を考え合わせ、オーストラリアワイン界として遺伝子操作素材を使ったワインには"ノー"という姿勢を打ち出している。



【関連ページ】

遺伝子操作ワインの出現で思う
『遺伝子操作ぶどうにゴーサイン』 【フランス】 2005年7月15日
『ぶどうの遺伝子の研究でより良質なワインを目指す試み』 【イタリア】 2005年7月29日




       

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