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ミシェル・ロラン氏、再びワイン評論家に噛みつく―プリムール売りの開始を受け 【フランス】 2016年4月10日


フランスの著名なワイン醸造コンサルタントMichel Rolland(ミシェル・ロラン)氏は、世界のワイン評論家・ワインジャーナリストと言われる人たちのワインの見方について、再び痛烈に批判した。

今回の発言は、2015年ヴィンテージのボルドーワインのプリムール売り(en primeurs)が始まったのを受けて、フランスのワインサイトTerre de Vinsのインタビューに答えたもの。

論題は、いわゆるボルドーバッシング(Bordeaux Bashing)と呼ばれる、このところのボルドーワインに対する批判についてだった。さらに言えば、2015年ヴィンテージのボルドーワイン(の素晴らしさ)が、ボルドーバッシングを終わらせることになるのではないか、という主旨の論題だった。

ロラン氏は、『馬鹿につける薬はない』と一刀両断にワイン評論家・批評家を切り捨て、『2015年ヴィンテージは偉大なヴィンテージだが、もちろん奴らにそんなことがわかるはずがない。我々はいつもそのワインの10年先の姿を見ている。』

『ワインの本質を理解してワインのことを書いているワインライターなどどこにもいない。奴らは自分の思ったことを好き勝手に書いているだけだ。もしかすると、自分はもっと謙虚でなければならないことに気付く人が存在するかもしれないが、期待はできない。なぜなら彼らは知的であろうとはしないからだ。知的であることは難しいことで、彼らは困難を避けて、短絡的な考えに終始してしまう。』と述べている。

ロラン氏は特にアングロサクソンのワインジャーナリストらを念頭に置いているようで、『彼らは、ボルドーの2015年ヴィンテージに関してただ絶賛するだけで、少なくともこれまでのところ、ほとんど誰からも2015年に関しての批判的意見は出ていない。』としながら、James Suckling氏は、プリムール売りが始まる前に、フランスのメディアで2015年ヴィンテージに関するいくつかの危惧を指摘していたと述べている。

ロラン氏は、よほど世のワイン批評家・メディアのワイン報道に腹を据えかねているらしく、以前もボルドーのプリムール売りに際して辛辣な意見を述べている。(関連ページ 参照)

Michel RollandのTerre de Vinsでのインタビューの骨子はこちらでどうぞ。(フランス語)


 【コメント】

ワインを評価するというのは、本当に難しいことだと思います。その人の置かれた立ち位置によって、ワインを見る視点は変わり得ます。またその深さも変わることでしょう。

Michel Rolland氏についても、世界のワイン界ではいろいろな受け止めがあります。絶賛、あるいは支持・肯定する人も多くいます。しかし反意を持つ人もいることでしょう。特に上記のように、これほど辛辣に名指しされれば、心境穏やかというわけにはいかないでしょう。

ロラン氏が言うように、世界で名の通ったとされるワイン評論家の人たちが、ワインに対して勉強不足で、ワインの表面的なことばかりに終始して、ワインの本質を見ることなく、それを種にビジネスをして世界を先導する現況を問題視しているとすると、そこには共感するところがあります。

反面、ロラン氏は特に過去20年ほどの間、世界のワインスタイルを、ぶどう栽培とワイン醸造面から恣意的にドライブしてきたという指摘はあろうかと思います。その間の、世界のワインの一方向へのワインスタイルの収れんには、メディアが大きく加担したのは事実だと思います。

ワインの世界では、いろいろなことが対立します。いろいろな角度からの見識のある見方が必要なのだと思います。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

ミシェル・ロラン、ボルドーのプリムール買いは“ゲーム” 【フランス】 2013年6月26日』

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