WORLD FINE WINES on line Wine Brokerage & Education Servises
|
---|
HOME |
WINE MAKING |
VITICULTURE |
TASTING |
MARKETING |
HAVE A BREAK |
WINE TALK |
ABOUT US |
SITE MAP |
ワインビジネスサポート | 電話サポート | 専門資料のご提供 |
Home > シャトー・ラトゥール、プリムール売りのシステムから離脱を表明 【フランス】 2012年4月24日 現在ボルドーでは、2011年ヴィンテージのプリムール売りが進行中だ。そのさなか、シャトー・ラトゥール(Chateau Latour)は、2011年ヴィンテージを最後に、プリムール売りのシステムから離脱すると表明した。その理由をシャトー・ラトゥールは、ワインが飲みごろになった時点で出荷するためとしている。 ボルドーの格付けワインを中心とする中・上級ワインは、毎年4月から5月ごろにかけて、まだワインが熟成中の樽の中にある段階(製品化されていない段階)で、売りに出される。これをプリムール取引(en primeur)と言っている。たとえば現在取引が行われている2011年ヴィンテージのワインは、ボトルに詰めて製品化されるのは、多くは2014年になってからだ。 つまり2年後に製品化される商品に先銭を払うという、いわば先物取引だ。このシステムについては、世界のワイン界からは疑問の声も上がっている。その主な理由は、ワインの引き取り時に、そのワインがどういう状態になっているのか購入側にとって不確定要素が多い。生産者側は商品の出荷のはるか前に代金を回収でき、生産者に圧倒的に有利なシステムだ、などがある。 しかし一方、プリムール取引の歴史的経緯を見ると、生産者・流通の双方が持ちつ持たれつの関係で、ボルドーワインを世界的な名声に引き上げたという面があり、生産者側だけが非難を受けるべきではないとする論調もある。 確かに過去は長い間、ワインの価格形成の面でもこのシステムはうまく機能して、シャトーはワインを造るだけで、販売はすべてそのワインの購入者であるネゴシャンが担うという、生販分業システムを形成した。 そのシステムが現在も続いているわけだが、2000年代になってからワインの価格が急騰し、トップエンドのワインは投機・金融商品と化し、飲まれることのないワインとなってしまったという現状がある。 これには中国やロシアなどの新興経済国からの買いが急増していることと、もう一つあまり語られないが、世界の金融市場でのワインファンドの登場がある。ワインを投資商品として資金を集め、ファンドがワインを購入し、その値上がり利得を投資家に分配する手法だ。この手法では現物ワインが各投資家のもとに動く必要はなく、ファンドが一括でワインを非課税地域の倉庫などで保有するなどの方策をとっているとみられる。 シャトー・ラトゥールの今回の取引システム離脱が、どういう結果をもたらすのか、来年以降の様子を見てみなければよくわからない。追従者が現れるのか、プリムール売りのシステム自体を再考するきっかけとなるのか、シャトー・ラトゥールの価格が更に高騰することになるのか、見通せない要素が多いと言えよう。 そもそもボルドーのトップワインがこの10年と同様、この先も人気を継続して維持することになるのかどうかも不確定だ。いずれにしても世界のワイン取引の実態の中で、確かにボルドーのプリムール取引は特殊な取引と言え、シャトー・ラトゥールのシステム離脱は、一石を投じることになるのかもしれない。
Home > |
| Home | Wine Making | Viticulture | Tasting | Marketing | Have a Break | Wine Talk | About Us | Site Map | |
---|
WORLD FINE WINES All Rights Reserved |プライバシーと諸条件| |