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ぶどうの木にコーヒーがなる―遺伝子操作技術で 【オーストラリア】 2016年4月4日


ぶどうの木にはぶどうの房が実をつける。それが今では、ぶどうの木にコーヒーの豆が実をつけるということが現実化した。

これは、オーストラリア・シドニーの王立植物園(Royal Botanic Gardens)の科学者らによって発表された。

シドニーは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(New South Wales : NSW)の州都で、同州はHunter Valley(ハンターバレー)などのワイン産地を抱えている。

近年は地球温暖化の影響で、ぶどう栽培地域の温度上昇に懸念が示されるようになり、科学者たちはぶどうの木に別の収穫物を実らせる研究を進めていたようだ。その結果、ぶどうの木でコーヒー豆が収穫できる技術を開発した。

研究者らは遺伝子操作によって、ぶどうの品種シラーズ(Shiraz)の木にコーヒーを生育させることに成功した。これにより、ぶどうの栽培によるぶどうの収穫から、ぶどう栽培によるコーヒーの収穫に、新たな収穫機の投資などをすることなく、容易に生産物を転換することができるとしている。

コーヒーとぶどうのハイブリッド(coffee-vine hybrid)は、最初のコーヒー豆の収穫に5年かかるという。また科学者らは、甘口ワインを造るぶどう品種から収穫されるコーヒーには、ぶどうと同じように貴腐菌の作用でコーヒー豆が甘くなり、カフェラテやカプチーノに砂糖を入れる必要がなくなるかもしれないと話している。


【Behind the Scene】

ワインマーケットではあまり名前が出ませんが、ニューサウスウェールズ州にはRiverina(リヴェリナ)というテーブルワインやバルクワインの広大な供給地域があります。NSWのワインの80パーセントはこの地域の産出で、オーストラリアでも屈指の大ワイン生産地です。

そのぶどう(ワイン)大産地が、温暖化による産業の将来不安の解消のために、ぶどう栽培をベースに、収穫物をぶどうからコーヒーに転換する準備を進めているということなのでしょう。

昨今、ぶどうとワインに関する遺伝子操作は世界中で研究が進んでいます。一部ではすでに実際に、そうした技術が使われた商品が市場に出てもいます。遺伝子操作とどう向き合うのか、世界のワイン界と消費者は注意して見ていく必要があろうと思います。【関連ページ】をご覧ください。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

遺伝子操作ワインの出現で思う
地球温暖化がワインにどう影響を与えるのか

オーストラリアの研究者、病気耐性の遺伝子操作ぶどうを開発 【オーストラリア】 2011年10月31日』
遺伝子操作ワインに関してワイン生産者間で二分 【ニュージーランド】 2013年9月7日』
人工的に酵母をつくる研究始まる 【イギリス】 2013年7月12日』
硫化水素の発生を抑える酵母、オーガニック認証を取得 【EU・アメリカ】 2011年10月7日』
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