硫化水素の発生を抑える酵母、オーガニック認証を取得

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硫化水素の発生を抑える酵母、オーガニック認証を取得　【EU・アメリカ】　2011年10月7日

Phyterra Yeast Inc.が提供する各種の酵母が、世界の主要なオーガニック製品に関する認証組織から、オーガニックワイン酵母として認証を受けた。

認証を与えたのは、アメリカ政府USDA(United States Department of Agriculture)のNational Organic Program (NOP)とEuropean Commission Organic、さらにCalifornia Certified Organic Farmers (CCOF)。

これらの酵母は、時としてワインの発酵時に出る硫化水素（hydrogen sulfide）を抑制するとされる。これらの酵母はイタリアのぶどう園で発見され、カリフォルニア大学デービス校（University of California, Davis）のDr. Linda Bissonによって改良された。

【コメント】

ワインにおける硫化水素の発生は、ワインメーカーにとって対処しなければならない最重要項目のひとつです。ワインの硫化水素の発生には、いくつかのルート（機序）があり、原因はひとつではありません。

その原因のひとつは、酵母の代謝によるものですが、これらの酵母では酵母の代謝で発生する硫化水素を抑制するということですから、主要な発生経路のひとつが解決する可能性が高いといことになります。

これまでのオーガニックワインの醸造基準の多くでは、硫化水素の発生への対処については、他の多くのワイナリーが適用している手法がとりづらく、苦労してきたと思います。

特にこれらの酵母の使用が、オーガニックのワイン醸造の認証を受けたことは、オーガニックワインのワインメーカーにとっては福音と言えるでしょう。ただし、これらの酵母を自身のワインに対して使うかどうかの選択は、ワインメーカー次第でしょう。

（伊藤嘉浩）

【関連ページ】

『オーガニックワイン考』
『ワイン造りと酵母』
『遺伝子操作ワインの出現で思う』
『ワールドファインワインズ　ワイン　エデュケーションプログラム』

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