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Home > 従来使われなかった新しいタイプの酵母によるワインの可能性 【デンマーク】 2010年2月26日 デンマークに本拠を置く、酵母や酵素といった自然界に存在する素材を世界的に供給しているChr. Hansenが、2009年に発売したワイン醸造のための新しいタイプの酵母が、ワイン界の注目を集め始めている。 この新しいタイプの酵母は、PRELUDE®という商品名で流通を始めた。この酵母は、来る2010年の南半球のヴィンテージで、チリ、アルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカで使われるという。 PRELUDE®と名付けられた酵母は、学名Torulaspora delbrueckiiと呼ばれるもので、これまでワインの発酵に使われることはほとんどなかった菌種だ。この酵母は、別名Saccharomyces delbrueckii とかSaccharomyces roseiとも呼ばれるが、従来ワインの醸造分野ではCandida(カンジダ/カンディダ)に属する不良酵母とみなされていたものだ。 PRELUDE®の事前の発酵結果では、滑らかな口当たりと際立ったアロマを呈し、全体的なワインの複雑性が増したとされている。 Chr. Hansenでは、この新しい酵母の使用は、従来から存在する酵母群との発酵相を変化させ、アルコール発酵とマロラクティック発酵の両方にポジティブな影響を与え、さらには二酸化イオウの使用を低減できるとしている。 事前のワイナリーにおける18ヶ月間の試験使用の結果の、専門家によるワイン評価として、 シャルドネのスパークリングワインでは、フレッシュなトロピカルフルーツのフレーバーの中にわずかにナッツのが認められ、それがはっきりとした個性となっている。 シャルドネとソーヴィニオンブランのスティルワインでは、熟したトロピカルフルーツがかすかなカラメルの風味に覆われ、その後すぐに古典的なスタイルを感じさせる。 カベルネソーヴィニオンのロゼと赤のメルロ、グルナッシュ、テンプラニーヨでは、ワイルドベリーとカラメルの複雑なフレーバーは新しい次元の感覚で、すぐにハイエンドのワインに分類されるワインだと認識される。 という評価をしている。 今後、この酵母の使用が広がるかどうかはよくわからないが、ワインメーカー間の情報交換や市場の評価次第で、もしかすると従来のワインにはない新しい感覚のワインが、市場に登場することになるかもしれない。 (参考)Chr. Hansen A/S
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