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Home >Wine Talk > Home >Marketing > 飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第2回】 前回の、『飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第1回】』では、飲み残したワインの保存法の
の中の(1)〜(3)を取り上げました。今回は残りの(4)と(5)です。 (4)ワインを凍らせる ワインを凍らせる、とは大胆な手法です。ワインの風味の劣化は、酸素との接触による化学変化が原因となっていますから、ワインを凍らせることによって、反応が起こらないようにすればよいという発想です。 実際この方法を実践しているワイン専門家は、この方法は有効で1年程度なら十分機能する。中には解凍すると状態がよくなるワインもあると言っています。しかし大方のワイン専門家は、この方法には否定的です。 その根拠は、ワインを冷凍するとワインの中の分子構造が変化してしまって、元のワインの持つワインらしさがなくなってしまう。言ってみれば冷凍食品と新鮮な素材の違いのようなものだ、とかなり懐疑的です。 しかしこの方法はなかなか面白い発想で、一度トライしてみても面白いかもしれません。解凍の方法もその専門家は、自然解凍でも、ぬるま湯につけておいても、電子レンジで解凍しても結果は変わらないと言っています。(この方法を、飲み残したワインの保存法として推奨しているわけではありません。ひとつの可能性としてお読みください。) 開栓したワインを凍らせないまでも、低温に保つということは、ワインの保存という観点から大きなメリットがあります。そのメリットは、ワインを低温に保つと酸化のスピードが遅くなるというところにあります。 ワインは温度が10℃上昇すると、酸化のスピードはおよそ2倍速くなります。20℃上昇すると酸化のスピードは4倍になります。したがって、栓を開けたワインを保存するときに、ワインを冷蔵庫に入れて温度を下げると、酸化を遅らせることが出来るのは確かです。 しかし一方で、飲み残したワインを冷やすということについて注意が必要な点もあります。ワインは低温にすると、ワインの中に溶け込む酸素の量が増えるのです。ワインを飲むときに、そのワインを適温に戻すと、ワインを冷やしたことで溶け込んだワインの中の酸素が、温度の上昇とともに表面化してさらに酸化に拍車をかけるということも起こります。特に夏場は、3℃程度に冷えていたワインが急激に30℃を超える環境にさらされるということも考えられるので、注意が必要です。 白ワインの場合は、低い温度で飲まれることが多いため、ワインの温度上昇に対してそれほど気を使わなくて良いと思いますが、赤ワインの場合には注意しておくと良いでしょう。 (5)小石のようなものをボトルに入れる 小石のようなものをボトルに入れる、とは何のことだと思われるかもしれません。これは(2)のワインを小さなびんに移し替える、をデキャンタしないで達成しようというもくろみです。 デキャンタすると酸化を促進させるというのなら、ワインを移動させないでボトルの中に保ったまま、そのなかにパチンコ玉程度の大きさの小石のようなものを入れていくことによって、その体積分でワインをボトルの注ぎ口まで上昇させて、栓をして空気との接触を断って保存しようという試みです。 この方法は理屈ではうまくいきそうです。しかし実際にはかなり面倒くさそうです。何よりボトルの中に入れるパチンコ玉のようなものをたくさん用意しなければなりませんし、開栓したワインのなかにそれを投入することになりますから、その素材の衛生管理が欠かせません。 ちなみにパチンコ玉そのものを、これに使うことはできません。それは、ワインが酸性であるからです。酸は金属を溶かすという基本的な性質を持っています。ですから酸性であるワインの中に金属を入れると、その金属はワインの酸で少しずつ腐食することになります。もしワインの中に何か入れるなら、酸に対して中立の素材でなければなりません。 以上『飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第1回】と【第2回】』では、それほど手間をかけずにできそうな、飲み残したワインの保存をご紹介しました。 開栓後のワインの保存の要点は、
です。 いったん栓を開けたボトルのワインを、空気との接触から完全に遮断することは困難です。ですからいろいろ策を講じたとしても、時間がたてばワインが変化することを完全に止めることは出来そうにありません。しかし、その変化のスピードを遅らせることはちょっとした工夫で出来そうです。 よくワインは開栓後どれくらいもつか、というお問い合わせをいただきますが、なかなか『何日ぐらい』という目安の日数さえも言いにくいというのが実際です。それはそれぞれのワインの酒質や性質が異なるため、1週間以上もあまり変化しないワインもあれば、その日のうちに大きく変化してしまうワインもあるからです。 一般的には、赤ワインのほうが白ワインに比べて酸化のスピードは遅いということはいえます。それは、赤ワインが持っているタンニンや色素成分(アントシアニン:anthocyanins)などのフェノール類が抗酸化作用を持っているからですが、それでも空気と触れている以上ワインは酸化していきます。 また、風味が変わってしまった(劣化してしまった)ワインを飲んで大丈夫か、というご質問もよくありますが、ワインの場合は、風味や味わいが変化しておいしく感じないということではあっても、それを飲んだからといって健康被害が発生するということは心配しなくて良いでしょう。 ワインは酵母や乳酸菌といった微生物がつくり出す飲み物ですが、ワインの持つアルコール度と酸度の環境下で生存できる微生物はたくさんはいません。現在まで、ワインの持つ環境下で生きられる微生物で、人間に健康被害をもたらすものは見つかっていません。また、ワインの中で起こる物質のさまざまな変化(反応)で、人間に害を及ぼす物質が生成されたという事例もありません。 酢酸菌の繁殖も、ワインの風味を落とすことにはなりますが、それ自体に害があるというわけではありません。しかしそうは言っても、おいしくないと感じるワインを我慢して飲むというのは楽しいことではありませんから、おいしいと感じる間にワインを楽しむのが一番だと思います。 (伊藤嘉浩 2008年2月) 『飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第1回】』に戻る
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