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飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第1回】


 飲み残したワインをどう保存したらよいか、というのは大きな関心事です。いったん栓を開けたワインは、時間の経過とともに風味が変化していくので、なんとか風味が落ちない良い保存方法がないものか、と思案することになります。

 いったん栓を開けたワインの保存法というのは悩ましいトピックですが、いくつかワインの風味が落ちるのを遅らせる方法はありそうです。比較的簡単に出来そうな方法として、次のようなことが考えられます。

  1. 器具を使ってボトルの中の空気を抜く
  2. 飲み残したワインを小さなびんに移し替える
  3. ボトルの中の空気を別の気体と置換する
  4. ワインを凍らせる
  5. 小石のようなものをボトルに入れる

 これらの方法の有効性や使い勝手を順に見ていきたいと思いますが、その前になぜワインはいったん栓を開けると風味が落ちていくのか、その理由を簡単に見てみることにしましょう。


なぜ開栓するとワインの風味が落ちていくのか

 開栓前のワインと開栓後のワインで決定的に違うのは、ワインが空気と触れているかどうかです。空気と書きましたが、ここで重要なのは空気の中の酸素です。ワインは空気のなかの酸素と触れることによって、徐々にゆっくりではありますが変化していくことになります。

 この変化は、ワインを風味の上で、たいていの場合は好ましくないほうへと変化させることになります。(まれなケースとして、開栓してから多少時間がたったほうが良くなるという場合もあります。)空気つまり酸素と触れるというのは、ワインの中身成分と酸素が反応を始めるということで、このことを『ワインの酸化』と言っています。

 ワインに最も多く含まれる物質は、水分を除けばアルコールです。ワインの中のアルコールが酸化されることによる風味の変化は、開栓後のワインに最も大きく表れる変化だといっていいでしょう。

 ワインの場合、アルコールの酸化によって出てくるにおいを『酸化臭』と言っていて、ネガティブなにおいとしてとらえられています。酸素は、アルコール以外にもワインの中の他のいろいろな物質とも反応しますから、香気成分を変化させたり、飲み口を変化させたりもします。これら総体的なワインの変化が、開栓後のワインの風味を落とす原因となっています。

 また開栓後、酸素と触れるようになったワインには、酢酸菌が繁殖することもよくあります。開栓後かなり時間がたったワインからお酢のにおいがしたり、お酢のような味を感じたりした方も多いのではないでしょうか。酢酸菌の繁殖もワインの風味を変化させる要因です。

 以上のような理由で、開栓後のワインの風味の劣化は、酸素との接触が原因で起こりますから、ワインの劣化を防ぐには、ワインを酸素(空気)と触れさせないようにすれば良い、ということになります。


ワインの酸化を防ぐ方法

 今回第1回では、(1)〜(3)について見てみます。どれくらい有効かどうかはぜひ試していただくとよいと思います。


(1)器具を使ってボトルの中の空気を抜く

 ひとつめは、バキュバン(Vacu Vin)などの器具を使って、ボトルの中の空気を抜いてしまおうというものです。方法は簡単で、写真のような器具を使ってボトルの中の空気を抜きます。


バキュバン
(Vacu Vin)
 こうした器具を使ってボトルの中の空気が完全に除去できれば理想的ですが、器具を使っても中の空気を完全に抜き取ることは難しいようです。したがって酸素はボトルの中にある程度残存し、完全に酸化を抑えるということにはならないようです。ですが、酸化のスピードを遅らせる効果はあるでしょう。また、使い方が簡単で手間がかからないという簡便さがあります。


(2)飲み残したワインを小さなびんに移し変える

 小さなびんにワインを移し替えて、ビンの中の空気の量を減らすというやり方です。残ったワインを小瓶いっぱいになるように移し替えて、ボトルの中の空気の量を出来るだけ少なくすれば、ワインが接する酸素の量はずいぶん少なくなります。栓とワインが接触する状態までいっぱいに出来れば理想的です。

 この方法も有効ですが、ひとつ問題があるのは、ワインを小瓶に移し替えるときに、実はかなりの量の酸素がワインと接触することになる、ということです。言ってみれば、この作業はデキャンタ(decanting)をするのと同じですから、その作業自体が酸化を促進させることになります。

 もし飲み残したワインが若くてかたいワインだったときは、この方法は良いかもしれません。特に赤ワインで若くてタンニンが強いワインは、開けたてで飲むと強い渋みや堅さを感じて飲みにくい場合があります。

 こういうワインの場合は、飲むときに一度別の容器にワインを移し替えて、ワインを空気に触れさせると、飲み口が柔らかくなって、風味も増すことが多いのです。飲み残したワインを小瓶に移すということは、同様のことをするということになります。

 この方法の有効性は、ワインの持っている酒質に依存します。強い酒質のワインではうまくいきそうですが、酒質の弱いワインではさらに風味の劣化を加速させることになるかもしれません。


(3)ボトルの中の空気を別の気体と置換する

 この方法は、ボトルのヘッドスペースの空気(酸素)を追い出して、二酸化炭素や窒素などの気体と入れ替えようとする方法です。この方法はレストランなど料飲店ではうまく使えそうです。特に生ビールを扱っている店では、二酸化炭素のボンベは毎日使っていますから、二酸化炭素の入手は簡単です。また家庭で簡単に使える充填用のガスが入ったスプレー缶も販売されているようです。

 方法は、二酸化炭素を量が減ったワインボトルのヘッドスペースに注入して、空気と入れ替えるのです。二酸化炭素は重いので、ヘッドスペースの底に滞留して(つまりワインの表面に滞留して)、ワインが酸素と接触するのを防ぐことが出来ます。

 この方法は、何種類ものワインをグラス売りしているような店では検討してみる価値がありそうです。といってもすでにワインの栓は開けられているわけですから、この方法を使えば、開栓時とまったく同じ状態でワインが保持されるというわけではありません。しかしワインに対して何もしないよりは、ワインの保存性は得られるでしょう。ちなみに二酸化炭素以外に窒素ガスでも同様の効果が得られます。


 今回は飲み残したワインの保存法の(1)〜(3)を取り上げました。次回【第2回】では、

(4)ワインを凍らせる
(5)小石のようなものをボトルに入れる

を中心に開栓後のワインの保存について見ていきます。


(伊藤嘉浩 2008年1月)


飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第2回】』にすすむ


ちょっとコラムーワインのヘッドスペースには何が入っている?

未開封のワインの、ワインの液面とコルクの間の空間部分(ヘッドスペース)には何がはいっているのでしょう。普段は気にもしないことかもしれませんが、たいていの場合、この部分には窒素か二酸化炭素、あるいはアルゴンが充填されています。

もしヘッドスペースに酸素(空気)が入っているとすると、製品となったワインのボトルの中で酸化が進んでしまいます。以前はヘッドスペースの空気を置換しないで、そのままコルク栓を打っていたワイナリーもかなりあったようですが、今ではほとんどないでしょう。




【関連ページ】

飲み残したワインの保存法―どんな方法が有効か 【第2回】

酸化と酸度ーワインは酸化すると酸っぱくなるのか
ワインの本質
ワインに関する20の質問
問題のあるワインを見極める 【第1回】』




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