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90年代のブルゴーニュの白は、酸化したボトルが多く信頼できないの議論 【フランス・イギリス】 2011年7月7日


1990年代のブルゴーニュの白ワインは、酸化したボトルにあたることが多く、信頼できないとする指摘が、イギリスのワイン誌Decanter(デキャンタ)でされた。指摘しているのはStephen Brook氏。

同氏によると、1990年代のブルゴーニュの白ワインでは、同じワインであっても、酸化していないボトルもある半面、酸化しているボトルもあり、ランダムに酸化しているワインにあたり、信頼がおけないと指摘している。

この問題は生産者も認識しているようだが、何が原因でランダムに酸化したボトルが現れるのか、結論は出ていないようだ。2000年以降のヴィンテージについては、そうしたことは頻発していないという。

Domaine DujacのJacques Seysses氏は、コルク栓の製造の時の洗浄液のせいではないかとしているし、Meursault(ミュルソー)のPatrick Javillier氏は、プレス機のせいではないかと指摘する。また、ボトリング時の二酸化イオウの使用が適切でなかったとの指摘も挙がっている。

多くのワイン専門家は、2000年以降はこの問題はほとんど発生していないと指摘している。Brook氏はこの問題に対し、生産者は全力でリスク回避をすべきだとして、消費者が引き続きこの問題に悩まされることがあれば、返金や交換を要求すべきだと指摘している。

Oxidation problem makes white Burgundy 'unreliable', Decanter


【コメント】

ワインの酸化は、ワインに起こるネガティブな要素の代表格と言えます。極めて軽度な酸化は、かえってワインに個性を与えるとして容認(あるいは好まれる)される場合もありますが、原則論としてはネガティブ要素と言っていいでしょう。

Brooks氏の指摘で重要な点は、酸化したボトルにランダムで当たるという点です。この酸化は、明らかにボトリングされた後に起こっているものです。したがって、何かが原因でボトルの中が酸化環境になっていると見なければなりません。とすると、コルクに原因があるか、ボトリングの際にボトルによって酸素が入り込む環境があったか、というのが最も考えられる原因ではないでしょうか。

二酸化イオウの不足ということであれば、すべてのボトルが対象になりますし、果汁のプレス時に原因があるとするなら、これもすべてのボトルが対象となるでしょう。

Brooks氏は、1990年代のブルゴーニュの白ワインは、一部でまだ流通しているとして警鐘を鳴らしているようです。現実的には2011年の現在では、マーケットでは90年代の白はあまり見かけなくなりましたが、コレクターズアイテムとしての取引はあるでしょう。

2000年代前半ごろまでは、コルクテイント(ブショネ)の比率も非常に高く、ブルゴーニュの白に限らず、酸化したワインというのもずいぶんありました。このあたりが、スクリューキャップの促進に大きな役割を果たしているのは間違いありません。

(伊藤嘉浩)



【関連ページ】

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