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ワインは食事の消化を助ける  2010年3月10日


ワインが健康に良いとする研究は、近年活発に行われている。多くの研究は、ポジティブな結果を示しているが、中にはネガティブな結果となっているものもある。

食事とともにワインを飲むということについては、食事をよりおいしくさせたり、会話を弾ませるという楽しみを与えるのは確かだろう。

その上でもうひとつ、食事とワインのコンビネーションについてのポジティブな見解は、ワインを飲むことで食べ物の消化がよくなるという指摘だ。

聖書には、『水を飲むより、少しのワインを飲んだほうがおなかに良い』書かれているそうだが、2000年を経た現在も、その真偽を確かめようとしている。

研究によれば(この研究自体は今から10年以上前に発表されている)、アルコール飲料は、胃酸の分泌を促し、消化を早めるが、それ以外の飲料にはその効果はほとんどないと指摘している。

ただし、アルコール飲料といってもワインやビールなどの醸造酒(従っておそらく日本酒も)にのみその効果が見られ、ウイスキーやブランデー、ラムなど蒸留酒では見られないという。

なぜ同じアルコール飲料でありながら、違いが生ずるのかについては、胃酸の分泌はgastrin(ガストリン)というホルモンが関わるが、このホルモンはアルコールの発酵段階で生成されるが、その後の蒸留の段階では取り除かれてしまうからだと結論付けている。

またワインと食事に関する別の研究では、肉のたんぱく質がワインのタンニン分をソフトにさせ、更には、肉が消化されたときに出されるmalonaldehydes(MDA)と呼ばれる基本的に有害とされる酸化された脂肪に、赤ワインが中和的にはたらくということから、赤ワインと肉料理が合うというのは、理屈に合うと指摘している。

2008年の研究によれば、七面鳥の肉を食べた後に上がったMDAの血中濃度が、1杯のカベルネソーヴィニオンやシラーを飲むことによって、完全に抑えられたと報告している。

(参考)
Alcoholic beverages produced by alcoholic fermentation but not by distillation are powerful stimulants of gastric acid secretion in humans

A novel function of red wine polyphenols in humans: prevention of absorption of cytotoxic lipid peroxidation products



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