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ワインの個性に大きな影響を与えるのは土中の微生物―研究で 【アメリカ】 2015年3月28日


ワインの個性はどこから来るのか。その要素は何か。このワインに対する根源的な問いに対して我々は、『テロワール(terroir)』というかなり観念的な言葉で対応してきた。

今回新しく発表された論文で、ワインの個性を形成するのに、土の中の微生物が大きくかかわっているという研究が発表された。発表したのはアメリカ・イリノイ州のArgonne National Laboratoryの微生物生態学者Jack Gilbert教授らの研究グループ。

研究者らはニューヨーク州のLong IslandのNorth Fork地区の5つの場所の違う畑のメルロで、土壌・根・葉・花・ぶどうの果実に生息するバクテリアを一年を通して分析した。

結果はぶどうの木の部分に生息するバクテリアと土中に生息するバクテリアはほとんど同じで、畑の立地の違いに関わらずほぼ同じ種類のバクテリアが生息していた。

更にボルドーのメルロ、カリフォルニアのメルロとも比較したところ、ニューヨーク・ボルドー・カリフォルニアとも、メルロにはほぼ同類のバクテリアが生息していることが確認された。

このことから研究では、世界中どこにメルロを植えようと、そこにはほぼ同じ種類のバクテリアが土中・ぶどうの木の両方に生息し、それがぶどうの個性の形成に大きくかかわるのではないかと結論付けている。

近年、植物・動物・土壌生物の群集の類型を束ねる大分類を表す言葉としてBiome(バイオームあるいは生物群系)という言葉が使われるようになっている。土中の微生物群の生態相をmicrobiome(マイクロバイオーム)という言い方がされるようになっているが、土の中で微生物がどう生息し、植物にどう影響を与えているのかはほとんどわかっていないという。

オーストラリアのAustralian Wine Research Institute(AWRI)のPaul Chambers博士は、近い将来microbiomeという言葉はもっと頻繁に使われるようになる。この領域の研究が進めば、ぶどう栽培者はマイクロバイオームをコントロールすることによって、畑をより意図的に管理して、市場の要望によりマッチした個性のぶどうを作り、したがってワインを造ることが、効率的に行えるようになるかもしれないと指摘する。

Gilbert教授はワインの個性に関して、現在言われているぶどう品種の生理的特徴より、最終的には土中の微生物の方がテロワールに与える影響が大きくなるかもしれないと語っている。

(論文)
The Soil Microbiome Influences Grapevine-Associated Microbiota, Journal of American Society for Microbiology



【関連ページ】

テロワール(terroir)について
現代のブドウ栽培とテロワール
現代のぶどう栽培とワインの個性ーテロワールとの関連でー
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