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テロワール関連 4題


(その1) テロワール(terroir)について に戻る

 (その2) 現代のブドウ栽培とテロワール


現代のワイン造り、特にニューワールドと呼ばれる産地のワイン造りでは、科学的なアプローチがその基礎となっている部分が非常に多くあります。このことは、ぶどうの栽培分野でも同様です。

フランスをはじめとするヨーロッパのワイン産地では、過去の経験とその積み重ねがあり、現代でいう科学的な検証を非常に長い年月の間での実践と実証として現代に引き継いでいます。かたやニューワールドといわれるワイン産地の多くは、経験的な実証というものを持ち合わせていません。

現代のワイン造り・ぶどう作りに科学的アプローチが果たした役割は、特にぶどう作りに経験の蓄積のないワイン産地にとって大きなものがあります。たとえば誰かがまったくぶどうが育てられていないところにぶどう園を開きたいと思ったときは、その土地の気候データや土壌のデータが集められ、その地がぶどうの生育に適しているかどうかということが事前に検討されます。

ぶどうの栽培に適しているとされれば、次はどんなぶどうの種類が適しているのか、その際にはどのクローン、ルートストック(台木)が適当か、どういった仕立て方(trellis system)を採用するか、それによってぶどう園全体のデザインやレイアウトをどうするかなどといったことが、事前に検討されます。

これらの検討は、いまやなんとなくそうであろうということでなされるのではなく、科学的なアプローチによっておこなわれています。しかしこれらの現代の科学的なアプローチを可能にしているのは、ヨーロッパの人たちが何世紀にわたって経験的に実証してきた実践が、現代の科学的アプローチの基礎データになっていることは確かなことです。

テロワールの概念をめぐっては、現代ではその概念をより的確に言葉として説明しうるのは、本来その言葉を持つフランスの人たちより、もしかするとその言葉の意味を知ろうとする違う言語圏・文化圏の人たちであるのかもしれません。そこでは本来の『terroir』の持つ言葉のイメージからさらに発展したところで、いわゆる科学的なアプローチを含んだより分析的な意味での『terroir』が議論されてきてもいるようです。

ワインの流通・販売の現場におられる方々にとって、ぶどうの栽培の分野はかなり遠い存在です。現実のマーケットでは、ワインに値付けがされ、その優劣や味や風味の違いが語られながらさまざまなワインが流通しています。

確かにマーケット参加者にとっては、最終生産物であるボトルに詰まったワインさえみておけば商売として十分、という見方もできますが、ワインに違いがあり、価格にも違いがあるとすれば、その原因はどこにあるのかという部分に目を向けてみるということも、時としては意味のあることだと思われますが、いかがでしょうか。


(伊藤嘉浩)


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            (その1) テロワール(terroir)について に戻る

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