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アメリカソムリエ協会、コルク栓を支持 【アメリカ】 2011年5月11日


アメリカソムリエ協会(The Sommelier Society of America)は、コルク栓がワインの栓としてより適していて、コルク栓を支持すると発表した。この発表は、アメリカのコルク栓を支持する団体100% Corkと共同で行われた。

アメリカソムリエ協会会長Robert Moodyは、ナチュラルコルクは、ワインの保存のうえでもワインを飲むときのシチュエーションの上からも、コルク栓はワインにロマンを与え、コルクに勝るワインの栓はないと述べている。

さらに、コルク栓はワインにとって理想的な栓で、時間の経過とともにワインボトルに適切な酸素を供給し、ワインを熟成させる。またコルク栓は環境にやさしいと述べている。

アメリカソムリエ協会の発表に呼応して、100% CorkのスポンサーでもあるCork Quality Councilは、世界で最も尊敬されているワインプロフェショナル団体のひとつである、アメリカソムリエ協会のコルク栓に対する支持は画期的なことで、今後ますますコルク栓の啓蒙をソムリエ協会と一緒にはかっていきたいとコメントしている。


【Behind the Scene】

どういったワインの栓がワインの栓として最適であるのかの議論は、この10年世界のワイン界の中心的なホットな論題であり続けています。

私の知るところでは、それに対する確定的な結論はいまだ出ていないように思います。この問題の本質は、ワインの品質保持にあたって、どういうタイプの栓が最も適するのかにあるわけですが、それをめぐってさまざまな意見が聞かれ、それぞれの利害関係も絡んで、終息の方向に向かっているようには思えません。

最終的には、どの栓を支持するのかは、ワインをお買いになる消費者が決定権を持つことになりますが、しかし消費者に十分な情報が提供されているかと言えば、そこはかなり貧弱だと言えるでしょう。

アメリカソムリエ協会では、コルク栓は空気を通すと言っていますが、コルクは空気を通さないとする学説もあり、はじめの一歩ですら意見に相違があります。(コルクメーカーは、空気の透過率を発表しています。)

現在では、スクリューキャップやプラスチック素材の人工コルクもかなり幅を利かせるようになって、ワインの栓の製造業者間の陣地取りが激化しています。(かつては新しいタイプの栓はなかったわけですから、一方的にコルク栓製造サイドが押される格好です。)

もともとワインの栓の問題は、環境問題として提起されたものでしたが、実はその指摘は間違いであったことがわかってからは、コルクテイント(いわゆるブショネ)の問題として議論され、さらにはワインの保存の最適性の議論へと発展しています。

私は個人的には、従来のナチュラルコルクと新しく登場したスクリューキャップ・人工コルクの両方に一長一短があり、どちらが良いかはそのワインが持つ酒質に大きく依存すると考えています。

瓶詰めして2〜3年以内に消費されてしまうワインには、スクリューキャップの方が良いように思いますが、長期の保存の後に飲まれるタイプのワインに、スクリューキャップが適するのかどうかには自信がありません。

長期保存のワインに対して、どのタイプの栓が優位であるのかの実証が乏しく、比較対照するものが現在のところほとんどありませんし、私自身にもその検証はありません。(現在、検証がすすめられています。)

大きな問題はやはりコルクテイント(ブショネ)です。高額ワインなら、使っているコルクの品質も良いのでブショネは起こりづらいと思われるかもしれません。しかしそういうことはほとんどないように思います。個人的にも、過去に(現在もそうですが)1本数万円以上するワインがブショネしているということはかなりあって、栓を開けてみなければわからないというギャンブル要素が、コルク栓の場合排除できません。

こうしたことから、ワイナリーによっては強制的にすべての生産ワインにスクリューキャップを導入しているところもあります。

たかがワインの栓ではあるのですが、地球環境にまで話が及ぶ、広い領域の話でもあります。

ワインの栓に関しては、下記の【関連ページ】もご参照ください。

(伊藤嘉浩)



【関連ページ】

コルクテイント(ブショネ)の問題
ワインの栓ーコルクかプラスチックか
コルクはワインにとって最良の栓であるのか

世界のワイン、15パーセントがスクリューキャップに 2009年3月14日
コルクテイント(ブショネ)の比率、1パーセント以下にー最新の調査報告で 【アメリカ】 2009年8月24日
スクリューキャップのワイン、アメリカでも上昇 【アメリカ】 2007年2月16日
使用済みコルク栓のリサイクリング推進プログラム 【アメリカ】 2008年5月13日
最もエコなワインの栓はコルク栓 【ポルトガル】 2009年1月27日

『スクリューキャップが森林破壊を助長する?? 2010年8月発行 WORLD FINE WINES ニュースレター』
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