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消費者のグリーンワインへの支持は広がりつつはあるが・・・  2009年12月7日


世界のワイン消費者のなかで、いわゆる『グリーンワイン(green wine)』と呼ばれるワインに対する関心はたしかに高まりつつあるようだ。

世界のワイン界では、最近よくグリーンワインという言葉が使われるようになってきた。グリーンワインとは、環境に配慮したワインという意味で使われる。

従来『緑のワイン(=グリーンワイン)』といえば、ポルトガルのvinho verde(ヴィニョヴェルデ=緑のワイン)のことを言っていたが、近年ではエコフレンドリーなワインを指して使われるようになっている。

しかし、何を持ってグリーンなワインと言っているのかについては、かなりあいまいではっきりとしない。

たとえば、オーガニックな農法で作られたぶどうを使ったワインや、さらにはバイダイナミクス(ビオディナミ)によってつくられたワインなども、その範疇なのかもしれない。

あるいはパッケージやボトルを、たとえばテトラパックやペットボトルにすることによって、資材の製造時や輸送時の温暖化ガス排出の抑制をしようとするワインも、エコフレンドリーなグリーンワインと呼ばれるかもしれない。

今や環境保護を前面に打ち出せば、消費者はその中身の吟味なしに傾倒していってしまうという側面もあり、こうした動きは消費者の善意や願望とは裏腹に、用語を巧みに使った商業主義の餌食にされかねないという危険性も一部に秘めているのではないだろうか。

そうした例は、『オーガニックワイン』や『ビオディナミ(バイオダイナミクス)』の一部のワインにも見られることは、否定できないように思える。

私は、オーガニックに作物を生産することを支持するひとりだが、特にワインの場合は、出来上がったワインの品質が保たれている必要があると考える一人でもある。

環境保護、エコ、二酸化炭素削減などなど、連日メディアをにぎわす昨今ではあるが、ワイン界にあっては、どういうワインがグリーンワインであるのか、消費者には非常にわかりづらく、イメージや宣伝文句だけが先行して商品が買われていく傾向が見られる。

グリーンワインという概念は、ワイン界で拡大してきているが、ワイン生産者から流通の各段階、そして最終の消費の現場まで、グリーンワインが意図する中身が伝播される必要があるのではないだろうか。消費者は、粗悪なグリーンワインを欲しているわけではないと思うのだがどうだろうか。

(伊藤嘉浩)



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