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Home > ボルドーワインはどれも同じ―ブロードベントとオズクラークが発言 【イギリス】 2007年12月5日 世界の著名なワイン批評家であるMichael Broadbent(マイケル=ブロードベント)とOz Clarke(オズ=クラーク)両氏が、ボルドーのトップワインについて、もはや地域差などなくなり、どれを飲んでも同じ味だ、と発言した。 これは、2008年1月号のDecanter誌のなかで語っているもので、特にボルドーワインについて、テロワールを表すワインの個性はなくなり、St-EstèpheのワインでもSt-JulienでもMargauxでもその区別がなくなってしまった。彼らはみんなPomerol(ポムロール)のワインをMédoc(メドック)で造るようになってしまった、と述べている。 【Behind the Scene】 ワインの味がどれもこれも同じになってきたという指摘は、かねてより各方面からされてきています。ワイン界ではこのことを『ワインの同質化(homogenisation)』というような言葉で言っています。 彼らがメドックのワインがポムロールのワインのようだというのは、近年ポムロールやサンテミリオンのワイナリーがMichel Rolland(ミシェル=ロラン)などのコンサルタントに従い、その手法でワインを造り、Robert Parker(ロバート=パーカー)などが絶賛するという構図が、メドックに持ち込まれたということを言っているようです。 このワインスタイルは、メドックに限らず今や世界中に広がっており、その意味で世界中のワインがそのスタイルに同質化してきたということも言えそうです。 ブロードベントとオズクラークは、こうしたワイン界の行き方に異を唱えているわけですが、一方で熱心なパーカー・ロラン派もあり、彼らの評価するワインこそが素晴らしいワインだとする声が多いのも事実です。 この論争は、ワインの味や香りという最終商品としてのワインのスタイルの問題にとどまらず、ぶどうの栽培・ワイン醸造の手法に根ざした問題でもあるだけに、今後もさまざまな意見が交錯すると思われます。 (伊藤嘉浩)
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