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カリフォルニアの大火災はようやく沈静、ワイン産地は復興へ 【アメリカ】 2017年10月25日


2017年10月8日頃から発生したとみられる北部カリフォルニアを襲った大規模な広域火災は、発生から2週間を経てようやく沈静に向かっっている。この大規模な野火は、カリフォルニアのNapa(ナパ)、Sonoma(ソノマ)、Mendocino(メンドシーノ)といった有名ワイン産地を直撃した。

この火災によって41人の死者と10万人を超える被災者が発生したとニューヨークタイムズは報じている。

特にワイン産業への影響は甚大で、完全消失あるいは壊滅的な被害を受けたワイナリーは30程度に上ると見られている。またぶどう畑の類焼被害も甚大で、火災が沈静化した今後、被害の実態が明らかになってくると思われる。

当該地域のぶどうの80パーセント以上は火災前に収穫されていると見られるが、残りのぶどうは火災と煙の影響を受け、労働力の問題もあり、あきらめざるを得ないところも多くありそうだ。

伝えられるところによると、ワイン産業に従事する人たちの5700棟が消失あるいは被害を受けているとされ、ワイナリー自体は被害を受けなくても、労働力が供給されないため、ワイン醸造に問題が発生しているケースがあるかもしれない。

ワインの品質に関して特に懸念されるのがスモークテイント(smoke taint)の問題だ。これは、煙の成分がぶどうからワインに移行してワインが煙臭くなってしまうという品質劣化だ。

この問題がどれくらい発生するかは今後の検証次第だが、カリフォルニアはもちろんのこと、世界のワイン銘醸地に挙げられる地域のワインだけに、ワインへの影響が懸念される。

スモークテイントの問題は、近年世界のワイン界の大きなトピックのひとつとして取り上げられてきているが、今回の大規模な事象の発生で、検証と研究はさらに進むと考えられる。

火災発生から現在まで、日ごとに情勢が伝えられてきたが、その全容は完全には把握されておらず、今後全体の被害実態やワイン産業へのダメージなどが明らかにされてくると思われる。

また既に壊滅から立ち直ろうとする動きも現れていて、支援の動きも広がっているようだ。

今回の火災地域であるナパ・ソノマ・メンドシーノ・レイク郡はカリフォルニアのワイン生産の12パーセントを占め、なかでもナパとソノマのワイン観光産業は年間38億ドル(およそ4,300億円)に上る。

また当該地域には1200のワイナリーがある。実際に被災したワイナリーは、その中の限られたワイナリーだが、しかしワイン産業を支える人たちが多く被災しているため、今後はそのあたりが大きく影響することになるのではなかろうか。是非とも早い時期の力強い回復を期待したい。



【関連ページ】

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