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世界で最もワインの価格が高い都市はどこ?−そのトップ10  2016年3月26日


世界の主要都市の中で、最もワインの価格が高いのはどこか。イギリスの経済誌・エコノミスト(The Economist)によって2年に一度行われる、世界の主要都市の価格調査で発表された。対象は400を超える商品・サービスで、パン1斤の価格、ミルクの価格など、その都市で生活するうえでの品目についてそのコストを比較して、総合的にランク付けしている。ワインはその品目の中のひとつ。

同誌が発表した今回の調査では、総合的な生活価格が最も高い都市はシンガポール(3年連続)。続いて香港とチューリヒ(スイス)がほぼ同率で2位となっている。

以下は、ワイン1本あたりの平均価格が高い都市の一覧。(単位はアメリカドル)


   都市  国  ワイン1本あたりの平均単価
 1  ソウル  韓国  $25.43
 2  ロサンゼルス  アメリカ  $23.53
 3  シンガポール  シンガポール  $22.39
 4  香港  香港  $16.47
 5  チューリヒ  スイス  $15.93
 6  ニューヨーク  アメリカ  $14.03
 7  ロンドン  イギリス  $12.47
 8  コペンハーゲン  デンマーク  $11.57
 9  パリ  フランス  $10.71
 10  ジュネーブ  スイス  $8.06


上記ワインの価格に関してのランキングを見て、違和感を覚える人も少なくないのではなかろうか。世界を頻繁に行き来して、それぞれの地を実感的に比較している人や、その地に居住している人からすると、ちょっと違うと感じるかもしれない。

比較の上で特に大きいのは為替の問題で、ユーロとアメリカドルとの換算比率で価格は大きく変化する。インフレにもなっておらず、現地価格は何年も一定だったとしても、国際比較では同じワインの価格が上がったり下がったりすることになる。

またアジア地域では欧米とはワインの消費環境が異なり、アジアでは大多数の一般的消費者はワインを日常的に飲んでいるわけではない。したがってカジュアルな価格帯のワインの比率が相対的に低く、サンプルとしてとられるワインの価格は欧米でとられるワインの価格帯と異なるかもしれない。

ワインは床屋の値段などのごく一般的な消費品目とは違い、国・地域による消費環境の違いが大きく、なかなか客観的な比較が難しいと言えるのではなかろうか。もし同じ銘柄の同一ワイン群をサンプルに比較が行われると、より納得しやすい結果が出るかもしれない。

ちなみに全くの私見だが、香港と日本のワイン価格を比べた時、一概には言えないが、数年前はファインワインに関しては香港の方が1割程度安い感じがしていた。しかし昨今は香港ドルが高く、必ずしも安くはないと感じるものもある。

ワインの国内価格は、その国の酒税・消費税の賦課も大きく、なかなか客観的な比較が難しいところだ。なおこの調査で使われた価格は、酒類小売業店頭価格によるとされる。



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