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フランス、2016年よりぶどうの新規植樹を容認 【フランス】 2015年8月14日


フランスは、これまで認められなかったぶどう園の新規開設を、2016年1月1日より認めると発表した。

これは、これまでEU全域で適用されてきた、ぶどう畑の新規開設を認めないとする規制が2015年末を持って終了するのに伴って導入される。新規にぶどうを植樹するには許可が必要だが、ぶどうの種類やAOC, IGP, VIGS(vin sans indication géographique)といったワインのカテゴリーは問わない。

なおこの規制緩和は、すでにEU委員会からEU全域において、2016年からの加盟各国での導入が認められており、それに沿ったものといえる。

フランス農林漁業省は、毎年それまでのぶどう園面積の1パーセントを上限に、新規のぶどう園開設を認めるとしている。その許可基準は、経営が成り立つか、過剰生産をしないかということになるとしている。


【Behind the Scene】

今世紀に入った頃からの、EU域内のワイン(とりわけフランスワイン)の世界市場での低迷は、EUに大きな決断を迫りました。それまで大勢を占めていたヨーロッパのワインが、ヨーロッパ以外のワインに駆逐されるようになったからです。

その原因は明らかにワインの品質差にあって、世界の消費者はヨーロッパのワインを優先的に選ぶことをしなくなりました。そのためEUは、ぶどう栽培の根本から手をつけざるを得ない事態に陥りました。

そこで大幅な減反政策を導入し、新規のぶどう園開設も認めない政策がとられましたが、その期限が2015年となっており、本年以降の新たな基準が策定されることになりました。

私個人は、すでに世界ではオールドワールド・ニューワールドというワインの色分けは陳腐化しているのではないかと思っています。世界のワインは明らかに品質志向になってきており、漫然とワインを造って売れた時代は過去のものになっていると思います。

今やワインは消費・生産とも地球規模の商品となりましたから、おのずとそこには市場原理が働き、競争環境は厳しさを増すだろうと思います。

『EUのワイン大改革』については【関連ページ】をご覧ください。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

EU, 域内のぶどう栽培面積抑制策を一転―次のステップへ 【EU】 2015年4月24日』

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