WORLD FINE WINES   on line
Wine Brokerage & Education Servises
ワールドファインワインズ                                                     for Wine Industry Professionals
HOME
WINE MAKING
VITICULTURE
TASTING
MARKETING
HAVE A BREAK
WINE TALK
ABOUT US

SITE MAP


ワインビジネスサポート 電話サポート 専門資料のご提供
Google
WWW を検索 worldfinewines.com を検索




Home >

シャンパーニュ、2011年のぶどう収穫の上限を20パーセント増量 【フランス】 2011年8月18日


シャンパーニュのワイン通商組織Comité Interprofessionnel du Vin de Champagne (CIVC)は、2011年度のブドウ収穫の上限を1ヘクタール当たり12.5トンに引き上げた。2010年のヴィンテージに設定された収穫量は10.5t/ha、2009年は9.7t/haだった。

この決定は、回復基調にあるシャンパーニュへの需要増に対応するものだとし、CIVCでは向こう3年のシャンパーニュの年平均成長率を2パーセントと見積もっている。

なお、2011年のシャンパーニュの収穫は、8月19日より開始される。この収穫開始日は、189年前の1822年以来の早い収穫とされる。90パーセントのぶどう畑は、8月25日までには収穫が開始されるとみられている。


【Behind the Scene】

シャンパーニュは、2008年秋のリーマンショック以前は、世界の急速な需要増に供給が追いつかず、商品供給がタイトになっていました。しかしリーマンショック後は一転、高額商品は売れなくなり、シャンパーニュも供給過剰におちいりました。

しかしこの2年ほどは、再び回復傾向となってきており、全体の需給のバランスを見る必要が出ているようです。

確かに最近では、大手のシャンパンハウスは好調のようで、2010年には前年比9パーセント増となっています。しかしそれ以外の中小の、フランス国内を主な出荷先としているシャンパンハウスでは3パーセントの売り上げ減となっていると言います。

リーマンショックの前、2008年3月には、INAO(Institut National des Appellations d'Origine)は供給不足を解消させるため、Champagne(シャンパーニュ)を名乗ることができる地域の拡大を発表しましたが、その地域からぶどうが収穫されるのは、もろもろの事情で2021年以降となっています。

シャンパーニュはフランスを代表する世界商品であり、優良高額輸出商品ですから、需要に供給が追いつかず、販売機会損失が出るのは避けたいところでしょう。

(伊藤嘉浩)



ちょっとこらむー1ヘクタール当たり12,5トンとは?

1ヘクタール当たり12,5トンとは、文字通り1ヘクタール当たりのぶどうの収穫量を言っています。さてこの数字が何を意味するのでしょう。

1ヘクタール当たり何トンという数字を出されてもピンと来ないかもしれません。私個人の感覚ですが、世界のある程度の品質を伴ったワインでは、かなり幅がある数字ですが、1ヘクタール当たり10トン~15トン程度のぶどう収穫となっているのではなかろうかと思います。

20t/haと言われるとやや多いかと感じます。その感覚で、シャンパーニュが12,5t/haと聞くと、ウルトラプレミアムワインにしては、若干多いかという印象も持ちます。しかしこれは上限ということでありますから、すべての生産者が12,5トンを収穫するわけではないでしょう。

数字を見る上で注意しなければならないのは、ヘクタールたりの収穫量が少なければ少ないほど良いかというと、必ずしもそういうわけでもないということです。確かに収量を抑えるとぶどうの品質が上がるというのは、一般的にはそう見られています。

しかし近年では、収量をそれほど落とすことなく品質の高いぶどうを得るためのぶどう栽培がおこなわれてもいます。要は、それぞれのぶどう園が、ぶどう栽培にどれほど熱心であったか、それによって良いぶどうを手に入れたかどうかが問題と言えます。

ヘクタール当たりの収穫量の数字は、目安として見る分にはいいと思いますが、その数字だけでぶどうの品質やワインの品質を推測・評価することには、やや危険が伴うかもしれません。

 



【関連ページ】

ワインの品質と生産量の関係

INAO、シャンパーニュのエリア拡大を決定 【フランス】 2008年3月15日』
シャンパーニュの生産者、イギリス南部を物色 【イギリス、フランス】 2008年1月10日』

シャンパーニュ、一転して価格下落へ  2008年11月11日』
どうなるシャンパーニュ、一転供給過剰に直面 【フランス】 2009年9月1日』
シャンパーニュ、売上減少も生産者はむしろ歓迎 【フランス】 2009年2月12日』

シャンパーニュ、2013年までに高成長の回復を期待 【フランス】 2010年11月12日』
モエヘネシー・ルイヴィトン、中国でスパークリングワイン生産へ 【中国・フランス】 2011年6月1日』





Home >




       

| Home | Wine Making | Viticulture | Tasting | Marketing | Have a Break | Wine Talk | About Us | Site Map |
  WORLD FINE WINES  All Rights Reserved   プライバシーと諸条件