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ワインに不快臭を与える物質を作り出す微生物を特定 【フランス】 2010年11月28日


ワインに不快な臭いを与える物質はいくつか指摘できるが、今回そのうちのひとつが、ある種のバクテリアが生成する物質であることが認められた。

その微生物は、近年発見されたRhizobium excellensisと名づけられたバクテリアで、この微生物が作り出すMDMPと呼ばれる物質が、その臭い物質であると特定された。(MDMP:2-methoxy-3,5-dimethylpyrazine)

MDMP自体は、今から20年以上前から知られている物質だが、ワインの中にも条件次第で発生することが示された。

研究者らはその臭い表現として、捨てられたカビの生えた古ぞうきんで、かすかにコーヒーやナッツの臭いを感じさせるような臭いと表現している。

ワインに起こる不快臭のひとつとして、コルクテイント(ブショネ)はすでに良く知られた存在だ。これもある種のカビが条件が整ったときにTCAという臭い物質を生成することが知られている。(TCA:2,4,6-trichloroanisole)

この研究は、フランスのExcell LaboratoryのPascal Chatonnet らによってなされ、アメリカのJournal of Agricultural and Food Chemistryに発表された。

研究者らは、MDMPを生成するバクテリアが、どういう経路と機序でワインの中にMDMPを作り出すのかが今後の研究課題だとしているが、バクテリアのワインへの侵入経路として、近年使われることが多くなったオークチップを挙げている。

また処理をされていないナチュラルコルクの40パーセントから、人間の鼻で検知可能なレベルの量のMDMPが検出されており、未処理のナチュラルコルクは使うべきではないと提言している。


(参考)
Origin and Incidence of 2-Methoxy-3,5-dimethylpyrazine, a Compound with a "Fungal" and "Corky" Aroma Found in Cork Stoppers and Oak Chips in Contact with Wines, Journal of Agricultural and Food Chemistry



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