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2009年のワイン生産量は、フランスが1位に返り咲きーしかし・・・  2009年12月1日


International Organization of Vine and Wine (OIV)は、2009年のぶどう生産量は、フランスがイタリアとスペインを抑えて世界最大となったと発表した。フランスが世界最大のワイン産出国となるのは2007年以来だ。

一方でEUのワイン大改革が今年2009年から本格的に実施に移され、EU域内では2009年1年間で73,000ヘクタールのぶどう園が閉鎖された。

その内訳は、スペイン45,000ヘクタール、イタリア11,000ヘクタール、フランス13,000ヘクタールなどとなっている。

EUは、ヨーロッパワインの世界競争力回復のために、低品質のぶどう園を閉鎖させるために補助金を拠出して、ぶどうの栽培面積の縮小を進めている。その総面積は、EU域内で175,000ヘクタール(当初目指したのは400,000ヘクタールだった)で、2010年はさらに55,000ヘクタールの閉鎖を目指している。

2009年は世界的な経済不況に見舞われたが、世界のワイン界では、たしかに高額ワインに対する需要は大きく落ち込んだが、全体としてはほぼ前年と同程度の消費量となっていると見られる。

世界全体のワイン総生産量も、2008年と2009年ではほぼ同水準だったと見られている。

しかしオーストラリア、アメリカなど世界の主要ワイン生産国では、すでにぶどうの生産過剰が指摘されており、世界全体のワイン消費動向を見据えた危機感がぶどう(ワイン)の生産現場では強い。

今の世界市場では、ワインをたくさん造ったからといって、その分がそのまま売れるわけではない。その意味で、もはやワインの生産量の多さを競うことは、ほとんど意味がないことのように思える。

それよりも現在では、ワイン生産各国が目指しているのは、ワインの供給過剰を防ぎ(つまり競争力のない生産者を退出させて)、ワインの質を上げて競争力を高めることだが、このことは個別のぶどう生産者の生計を直撃することでもあり、総論賛成・各論反対で各国とも頭の痛い問題となっているのは確かだ。



【関連ページ】

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