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Home > オーストラリアワイン、試練の時代に突入かーオーストラリアワインへの提言 【オーストラリア】 2009年1月22日 2008年のオーストラリアワインの世界市場への輸出額は、前年の過去最高の30億オーストラリアドルから24億6500万ドルに減少し、18パーセントの下落となった。オーストラリアワインの世界市場への輸出額の減少は、統計をとり始めて10数年来初めてのこととなった。 輸出減少の最も大きな原因は、2008年10月に端を発する世界経済ショックまで、オーストラリアドルが各国通貨に対し、非常に高くなっていたことが挙げられる。 たとえば円に対しては、1オーストラリアドルは100円超で推移してきたし、アメリカドルに対しては90〜95セント近辺で推移していた。その状況は、ユーロ、英ポンドなどの通貨に対しても同様だった。(現在では円とオーストラリアドルの為替レートは60円程度、米ドルに対しては65セント程度) 輸出市場での急激なオーストラリアドル高は、当然のことながら輸入国にとっては原価高となり、価格競争力では厳しくなった。また、チリや南アフリカなどアメリカドルで決済されるワインは、相対的に価格優位に立った。 為替レートの変動は貿易に大きな影響が表れ、収支に大きく影響する。このことは全くそのとおりであるが、オーストラリアワインにとっての本当の試練は実は別のところにあることを指摘したい。 たしかにオーストラリアワインは過去20年来、世界市場で連戦連勝の負け知らずであった。おかげで今では押しも押されぬ世界のワイン大国になった。それを成し遂げた要因は、限られた大企業の巧みなマーケティング戦略と、その背後のオーストラリアの国家としての一大産業戦略に基づくものだったといってよい。 世界市場に投下されるそれらのワインは、ほかの競合ワインと比べ、コストパフォーマンスが良く、同じ金額を出すのならオーストラリアワインを買おうという気にさせる、巧みな製品コントロールを行ってきた。事実これらのワインには欠点はなく、充分に楽しむことができるものだ。 しかし一方で、それ以上のものでもないという反応もすでに出始めている。たしかに安定していて文句をつけることはできないが、何かもう少しないのかという声だ。 オーストラリアの大ワイナリーから生産されるワインは、標準よりたしかに良いがそれ以上ではない。世界で流通するオーストラリアワイン全般にこうした評価が定着していくことにこそ、オーストラリアワイン界は、果たしてそれでよいのかを重く考えるべきであろう。 実は、オーストラリアで造られるワインは、そういうワインばかりなのかというと、全くそうではない。オーストラリアでは非常に多くの個性豊かなワインたちが造られているが、残念ながら世界市場ではあまりお目にかかれない。 オーストラリアワインは、輸出市場では上位20社で91パーセントを占めるという構造になっている。ぶどうの生産過剰が再び顕在化している中、こうしたオーストラリアワインの構造的なアンバランスを是正し、多様なオーストラリアワインが世界市場で楽しめるようにできるようにすることこそが、今後のオーストラリアワインの発展には欠かせない大きな眼目だろう。 (伊藤嘉浩)
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