WORLD FINE WINES   on line
Wine Brokerage & Education Servises
ワールドファインワインズ                                                     for Wine Industry Professionals
HOME
WINE MAKING
VITICULTURE
TASTING
MARKETING
HAVE A BREAK
WINE TALK
ABOUT US

SITE MAP


ワインビジネスサポート 電話サポート 専門資料のご提供
Google
WWW を検索 worldfinewines.com を検索




Home >

EUとオーストラリア、ラベル表示規制などで正式合意 【EU・オーストラリア】 2008年12月24日


EUとオーストラリアは、長年の懸案だったワインのラベル表示規制などについて、2008年12月1日正式に合意した。

この合意によって、オーストラリア産のワインにはBurgundy(バーガンディ), Chablis(シャブリ), Champagne(シャンパーニュ), Chianti(キャンティ), Moselle(モーゼル), Rhine(ライン), Sauterne(ソーテルヌ), Port(ポート)、Sherry(シェリー)、Tokay(トカイ)などの表示が正式にできなくなった。

この内容は、2007年6月に両者で合意し、正式発効を待っていたものだ。

今回の合意では、オーストラリア側にも大きなメリットがある合意がなされたと見るべきだろう。それらは、

  1. オーストラリアワインで行われている、新しいワイン醸造技術でつくられたワインに対するEUへの輸入が承認された
  2. EUへのオーストラリアワインの輸入の際の手続きの簡素化とラベル表示規制の簡素化
  3. EU産ワインのラベル表示に当たって、オーストラリアのワイン生産地域の112にのぼる産地表示(geographical indications:GI)の使用禁止
  4. オーストラリアは引き続き、vintage, tawny, rubyといった伝統的な語句はラベル表示できる

といったことが挙げられる。

(1)の合意は、オーストラリアワインの輸出にとって大きなメリットで、これらの醸造テクニックには、オークチップやリバースオズモーシス、スピニングコーンなどがあるが、それらを適用したワインのEUへの輸入が許可される。

(2)のEUへの輸入についての手続き簡略化は、オーストラリア側の長年の要求であった。

(3)は、今や世界のワインの大輸出国となったオーストラリアにとって、今度は自国のGIが脅かされる危険を持つようになっている。たとえば、BarossaやMargaret Riverといったオーストラリアの主要ワイン生産地区が代表例だが、それらを守るための規制だ。

現状、オーストラリアのテーブルワインでは、ヨーロッパのGIをラベルに表示するものはすでにほとんど見られない。ただし、portやsherryは未だに使用している場合があり、これに対してオーストラリア政府は、50万ドルを用意してブランド名の変更を補助する。

2007年―2008年ベースでは、EUはオーストラリアワインの輸出分のほぼ半数を輸入している。また、オーストラリアはEUに年間3億9,700万リットルのワインを輸出したのに対し、EUからオーストラリアへの輸入は、1,800万リットルとなっており、オーストラリアのEUワインの輸入量は、輸出の20分の1となっている。

(伊藤嘉浩)



【関連ページ】

オーストラリアワインでChampagneなどのラベル表示が不可に―EUとの表示問題で合意へ 【EU・オーストラリア】 2007年6月7日』
EUとアメリカ、ワインの産地表示問題で合意へ 【EU,アメリカ】 2005年9月17日』
オーストラリアワインの輸出が過去最高に
EUのワイン改革、大幅な妥協の末、合意 』
トカイワインの呼称問題、いまだ決着がつかず

現代のワイン造りー科学と芸術のはざま
ワインの『同質化』の議論を考える




Home >




       

| Home | Wine Making | Viticulture | Tasting | Marketing | Have a Break | Wine Talk | About Us | Site Map |
  WORLD FINE WINES  All Rights Reserved   プライバシーと諸条件