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オーストラリアワインでChampagneなどのラベル表示が不可に―EUとの表示問題で合意へ 【EU・オーストラリア】 2007年6月7日


EU委員会(European Commission)とオーストラリアは、オーストラリア産のワインに、EU内で個別的に使われる名称を今後表示しないことなどを定めた新たな合意を発効させる。

これにより正式な合意から1年以内に、オーストラリアワインに“Champagne”“Port”などのEU内の特定のワイン産地の名称を使うことができなくなる。

今回の合意はオーストラリアとEUとの間で長年の交渉の末合意されるもので、名称の使用問題だけでなく、ワインの醸造分野やぶどう栽培での農薬使用などの環境問題についての基準もより明確にされる予定だ。

Champagne、Portなどの産地名がオーストラリアワインに表示できなくなることで、EU内のワイン産地呼称が保護され、その地域ワインの独自性が保たれることになる。

ちなみに2006年は、EU産のワインのオーストラリアへの輸出は6200万ユーロ、逆にEUがオーストラリアから輸入したワインの総額は8億6800万ユーロだった。


Source:European Commission and Australia initial new wine agreement


【Behind the Scene】

ワイン産地の独自性を保つための産地表示規制の動きとして、最近ではgeographical indications(GI:特定の地域を指し示す表示)という言葉がよく使われ、アメリカ、オーストラリアなどの国内でもワイン産地の地域境界を明確にし、その地域産のワインを特徴づけようとする動きが活発化しています。

たとえばMargaret River, Coonawarra, Napa, Sonomaなどとラベル表示するためのgeographical indications(GI)の策定とその名称の使用の制限が進んでいます。今回の合意は、いまやオーストラリアは、世界のワイン市場でトップクラスの輸出量となり、今度は自国のGIが脅かされる可能性があり、このままEU内のGIをオーストラリア産ワインに使い続けると主張するのは無理があるとの判断があったとしても不思議はありません。

(伊藤嘉浩)

【関連ページ】
EUとアメリカ、ワインの産地表示問題で合意へ



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