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赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造った生産者に罰金 【フランス・EU】 2016年2月21日


単純に赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造ったフランスの生産者に、違法な製法だとして罰金が科せられた。

罰金を科せられたのはフランス南西地域のワイン協同組合Vinovalie。Vinovalieは、同地方に4つの協同組合を持ち、470のワイン生産者が加盟し、ぶどう畑の面積は3,800ヘクタールに及ぶ。

罰金はVinovalieに対して10,000ユーロ(約125万円)と付帯費用1,000ユーロ。更に管理責任者3人に、それぞれの役割に応じて1,000ユーロから5,000ユーロの罰金が科された。

EUのワイン製造法の規制によれば、ロゼワインを造る製法として、赤ワインと白ワインを最終段階でブレンドしてロゼワインとするという製法は認められていない。

ただこの決定については紆余曲折があり、2009年EUはロゼの製法として、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインとすることを許可している。しかしその後、反対の意見があり許可を撤回し、不許可の決定を下している。(経緯は【関連ページ】を参照。)

ただし、ワインの発酵前に黒ぶどうと白ぶどうを一緒にして原料果汁を取得することは許可されるとしている。

単純に赤ワインと白ワインを混ぜたものをロゼワインと呼ぶことに対しては、特にフランス・プロバンスやイタリアなどから強い反対論がある。彼らは、ロゼワインはぶどうの果皮のスキンコンタクトから得られる色をもってして造られる、伝統的な製法が守られるべきと主張する。

罰金を科されたVinovalieは、控訴するとしている。


【コメント】

ロゼの製法に関しては、取り決めの問題だろうと思います。実際世界のロゼのワイン醸造では、特に安価なロゼワインは、単純に赤ワインと白ワインを混ぜたものを“ロゼワイン”として生産しているものもあります。

EUの中で、ロゼワインの製法規定が混乱をきたした2009年というのは、EUのワイン大改革が実施に移されようとした時期で、域内のワインの醸造規定がいろいろと見直された時期でもありました。

例えばそれまでは国によって認められなかった補糖は、EU全域で制度上は許可となりましたし、それまで許可されなかったオークチップの使用も認められるようになりました。

どんな取り決めも、なかなか全員一致とはいかないようです。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインにすることを許可へ 【EU】 2009年3月26日』
赤と白を混ぜてロゼにすることを許可したEU委員会にWTOが異議 【EU】  2009年4月15日』
EU、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼにする製法の許可を撤回 【EU】 2009年6月9日』

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ワインでいう『補糖』って何?−その是非論
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