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ワイン界の環境対策―容器をボトルから箱に 【アメリカ・オーストラリア】 2008年2月4日


ワイン界においても二酸化炭素の排出を減らし、地球環境の保護を行おうとする動きが活発化してきている。その守備範囲は広く、ワイン醸造の現場での取り組みからワインの物流に至るさまざまな場面で検討されるようになってきている。

その中で目を引くのは、ワインのパッケージングと物流に関する動きだ。先日もカリフォルニアのThe Wine Group(アメリカで3番目に大きいワイン会社)が、ワインの容器をガラス瓶からBag in Boxのカスクに変えることで、二酸化炭素排出削減に大きく貢献できると提言した。

Bag in Box(BIB)とは、日本酒でいうパック酒を想像するとわかりやすいが、ワインの容器をガラス瓶からBIBに変えることで、同じ量のワインを運ぶのに排出される二酸化炭素量が大幅に削減されるとしている。

また容器の製造においても、ガラス瓶を製造するより低い排出量で済むとし、試算によれば容器の製造、流通、消費を総合的にみると、ガラス瓶に入ったワインを流通させるよりも55パーセントほど二酸化炭素の排出の削減が期待できるとしている。

また、開栓後のワインの劣化にもBIBを使ったほうが有効だとしている。(ボックスを逆さにしてワインを注ぐため、バッグの中への空気の侵入が抑えられるため。)

箱に入ったワインはカスクワインといわれ、オーストラリアの偉大なワイン発明品として従来から2リットル・4リットルなどの大容量ワインにその手軽さから人気があるが、今回の動きは、環境保護という追い風を受けた新しい切り口でのマーケティング手法ともいえる。

西オーストラリア、パースに拠点を置くAndrew Pease Winesは2007年にテトラパックのワインボックスを発売したが、6メートルの標準的なコンテナの積載量はガラス瓶の12本入りのワインでは1176ケースであるのに対し、テトラパックでは1575ケースで、コンテナの総重量はほとんど変わらないと言い、カスクワインを流通させることによるワイン輸送における二酸化炭素削減効果を訴えている。



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