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フィリピーヌ・ド・ロートシルト男爵夫人、死去 【フランス】 2014年8月26日


世界のワイン界で最も著名な人物の一人、Baroness Philippine de Rothschild(フィリピーヌ・ド・ロートシルト男爵夫人)が死去したと家族より発表された。80歳だった。

フィリピーヌは異論もあるかもしれないが、近年のボルドーのワイン界で最も称賛され、影響力を発揮した人物で、誰もが知る通りChâteau Mouton Rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)のオーナーだった。

Château Mouton Rothschildは1973年、メドック(Medoc)の格付けの歴史の中で、唯一一級に格上げされたシャトーで、それを成し遂げたのが彼女の父であるBaron Philippe(フィリップ男爵)だった。

フィリピーヌは父親の死後シャトーを受け継ぎ、1988年にはChâteau d’Armhailac(シャトー・ダルマイヤック)とChâteau Clerc Milon(シャトー・クレール・ミロン)を手にしている。

現在ではChâteau Mouton Rothschildを筆頭にワインビジネスを世界的に展開する、家族経営会社Baron Philippe de Rothschildを俯瞰する組織のトップとして、社業だけでなく、ボルドーワインしいては世界のワイン界に大きな影響力を持った。

フィリピーヌ自身は、1988年に父親の死後ビジネスを引き継ぐまで30年間、Philippine Pascalの名で、女優として活躍した。彼女は父が生前手がけたカリフォルニアのRobert MondaviとのジョイントベンチャーOpus One(オーパスワン)や、チリのConcha y Toro(コンチャ・イ・トロ)との協業Almaviva(アルマヴィーヴァ)を継承・発展させた。

フィリピーヌは、決して男爵夫人と呼ばれることを好まず、常に豪華に着飾り、満面の笑みをたたえ、彼女が話すことはどれもいつも魅惑に満ちていたという。あらゆることに驚くほど注意を払い、些細なことまで完璧を期したという。幸運にもシャトーでディナーをもてなされることがあれば、誰しもその完璧さに感動すると近しい人は証言している。

フィリピーヌの死はワイン界のみならず、世界の各界からその死を悼むメッセージが寄せられているという。彼女は、近年のボルドー・グランクリュの価格高騰やグランクリュとしての振る舞いに、疑問と警鐘を投げかけた一人でもあった。



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