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ボジョレーブランの大量増産が、ブルゴーニュブランの脅威に 【フランス】 2009年7月17日


ボジョレー(Beaujolais)といえば、ガメイ種(Gamey)で造られる赤ワインとして知られ、特に日本ではボジョレーヌーボーが大量消費されているが、ボジョレーの白ワイン、ボジョレーブラン(Beaujolais Blanc)はほとんどお目にかからない。

しかし近年、ボジョレー地区でシャルドネの栽培が急増して、大量のボジョレーブランが供給されるようになってきた。

AOCの規定上、ボジョレーでシャルドネを栽培することは許可されているが、これまではほとんど栽培されてこなかった。それゆえ、マーケットでボジョレーブランを目にすることはまれだった。

ところが最近になって、ボジョレーでシャルドネの栽培が増え、ボジョレーの白つまりボジョレーブランとして市場に出回るようになった。このことについての異論はほとんどない。

問題は、最近ボジョレーブランが、ブルゴーニュブラン(Bourgogne Blanc)のラベルで流通するようになってきたことだ。これに対し既存のブルゴーニュブランを生産してきた地区(Côte d'OrやCôte ChalonnaiseあるいはMâconnais)の生産者は、自分たちの領域が侵食されるとして、危機感を強めている。

ボジョレーはブルゴーニュの一部として認識され、面積ではブルゴーニュ全体の3分の2を占める広いエリアだ。それゆえ、ボジョレー地区で造られたシャルドネにBourgogne Blancのラベルを与えるのは、問題ないといえるが、歴史的あるいは慣習的に、ブルゴーニュといえばボジョレーを除外した区域という感覚が強いことも事実だ。

またこれまでボジョレーでは、白ワインがほとんど造られてこなかったことも既存のいわゆるブルゴーニュブランの生産者にとっては、新たな強力な市場参入者として映ることになる。既存業者らは、ブルゴーニュワイン界全体を代表する組織BIVBに対し、ボジョレーブランのブルゴーニュブラン使用の差し止めを要求している。

ブルゴーニュでは、白ワイン同様赤ワインについても表示について、線引きが明確に行われていないとして改善を求める声も多く、Bourgogne Roougeに問題が飛び火する可能性も秘めている。

これに対しBIVBは、問題を認識しながらも現状の経済危機の最中に議論すべきでないとして、フランスのアペラシオンを統括するINAOにその判断を委ねている。



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