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輸送中のワイン軌跡の追跡にワイン生産者が関心 【フランス】 2008年5月7日


ワインの輸送中や荷役時、あるいは倉庫で保管中のワインの状態をモニターし、その軌跡を把握する新しい技術にワイン生産者が関心を寄せている。

このサービスは、フランス・ボルドーに拠点を置くeProvenanceがはじめたもので、ワインにRFID(Radio-frequency identification)タグを取り付けることで、輸送中あるいは保管中のワインの状態をモニターする。

タグの設置は1本ずつのボトルでもケースでも取り付けが可能で、ワインのおかれている環境の温度変化を記録する。その状態は随時パソコン上でモニターできる。

この技術の導入により、ワインの輸送時の温度変化や港での荷役作業時、保管のときの温度をモニターし、流通におけるワインの品質管理が把握できるとワイン生産者らは期待を寄せている。またこの技術はワインの偽造防止にも活用できるという期待もあるようだ。

このサービスにはボルドーのLatour, Lafite, Margaux, Palmer, Haut Baillyなどのトップシャトーを含むワイナリーが注目しているとされる。またすでにいくつかのワイナリーでは導入を決めたようだ。

ワインの輸送時・保管時の急激な温度変化は、ワインにダメージを与える大きな原因だ。リーファー(Reefer)コンテナによる輸送も行われるようになっているが、世界全体からするとその割合は大きいわけではないようだ。

輸送時・保管時のワインの受けるダメージについては、その実態を示す包括的なデータや研究は驚くほど少ないのが実態だ。しかし実際には、世界各地で輸送時の急激な温度変化でワインがダメージを受けたと思われるケースは散見される。

従来、輸送コンテナ内に温度計を設置して、輸送中の温度をモニターしようとする手法が一部でとられているが、今回の技術はそれを一歩進めたものと言えよう。

ワインの出荷時から消費者の手元に届くまでワインの軌跡をモニターできるというのは画期的なことだが、しかし重要なのはやはり、本当にワインがダメージを受けない環境におかれているかということだろう。

(参考)eProvenance



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