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ワインの年代測定を放射能測定技術で可能にーごまかしの発見に期待 【フランス】 2005年6月18日

ボルドー大学の物理学者らは、放射能測定を使ったワインの年代測定の方法を確立した。

ボルドー大学のPhillipe Hubertらの研究チームは、ワインに含まれるcaesium-137という放射能をを測定することによってワインの年代を正確に測定できると発表した。

この研究は、フランス詐欺取締り当局が資金を拠出しておこなわれた。この研究所は、フランスワインに対して頻繁におこなわれる、深刻な中身のごまかし問題に対応するために設立されたが、研究所は高度なセキュリティを確保するために、フランスとイタリアの国境近くの地下に設けられ、測定が続けられるという。

従来のワインの年代測定方法は、炭素の減衰を測定することでおおよその年代測定ができていたが、そのためにはボトルを開けて、いろいろな手間をかけて測定する必要かあったが、今回の新しい測定法の開発で、ボトルを開けなくてもヴィンテージの測定ができるようになった。

この研究は2年間にわたり、物理学者二人、当局の専門家二人とひとりの地質学者の合計5人のチームでおこなわれ、実験に使われたワインは1950年から2000年までのそれぞれのボルドーのヴィンテージであった。

研究所でのワイン調査は詐欺の発見だけでなく、一般からの調査以来にも対応するという。



【Behind the Scene】
フランスワインのワイン業者による中身のごまかし問題は、大きな問題として存在しています。過去にも著名なワイン業者を含め、世界に大きく報道されたケースもいくつかあり、フランスワインの信頼性を揺るがす大きな問題となっています。

その手法の一つは、有名なAOCのワインにまったく別の安価なワインを混ぜて、それをそのまま正真のAOCワインとして販売する、というものです。そうすれば生産者あるいはネゴシャンは、安いワインを高値で売ることができるからです。

数年前には、DNA鑑定の手法を使ったワインの中身のぶどう品種識別法が開発されましたが、たとえばブルゴーニュの赤の場合、ピノノワール以外のぶどうが混ぜられた場合には有効にはたらきますが、粗悪なピノノワールを混ぜた場合は、品種が同じであるために判定ができないといわれていました。

フランスワインの中身のごまかしは常態化しているといわれ、一部の関係者からは、その原因はAOCシステムが厳しすぎるからだ、というシステムそのものへの批判も出ているようです。

この問題はフランス国内の法律問題だとする見方もできますが、フランスワインがAOCシステムをワインの価値基準の中心にすえ、法律化している以上、それに反したワイン造りは違法といえるのでしょう。









       

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