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ボジョレーの根深い対立 【フランス】 2005年9月2日

ボジョレーの2005年の収穫を間近に控えて、収穫量を減らすように求めるボジョレーワイン生産者組合の要求に対し、生産者たちが激しく抵抗している。生産者側と組合側の主張は緊張状態にあり、先週には800人のぶどう生産者が組合の建物の外でデモを繰り広げた。

組合のトップGhislain de Longevialleは、生産者たちに対し、生産過剰となり価格の下落を防ぐために収穫量を落とすよう要求したが、激しい抵抗にあっている。これを実行すれば生産者にとっては10パーセントの収入減となるからだ。生産者たちはLongevialleを辞任に追い込んだが、2005年の収穫量をどうするかの最終調整は決着していない。

Longevialleは、『困難なことはわかっているがやらなければならない。誰もこんなことはやりたくはないが、価格が暴落すれば、事態はもっと悪くなる。総論は賛成でも自分の利益のこととなると反対するということはよくあることだが。』と述べている。

ぶどうの生産調整をめぐる対立はここ数ヶ月間激しい論議となっており、ぶどう生産者からは、この提案は受け入れがたいというのが大きなうねりとして多数意見となっている。

この問題の背景には、国内外でフランスワインが直面する厳しい環境がある。国内でもかつてはワインは食事とは切っても切れない飲み物であったのが、最近ではそんなことはなくなり、さらにアルコールの広告規制や飲酒運転の取締りが消費減に拍車をかけている。この対立は、実はワイン生産者の世代間、裕福な生産者とそうでない生産者、よいぶどう園と悪いぶどう園との闘いであり、その根はずっと複雑で、フランスが直面しているワインの苦境を反映しているようだ。

2004年産のボジョレーは100万本の余剰在庫を抱え、2005年の収穫が制限なしにおこなわれれば、さらに巨大な在庫の山となるのは明らかであろう。

生産者の一人は、『われわれは穏やかだから、過激な行動にでたりはしないが、しかし怒っている。Longevialleの方針は間違っているしうまくいかない。過去に干ばつや雨で収穫が激減した年もあったが、収穫が減ったからといって価格が上がったことはない。だから今度も同じだ。』と彼のワインを抱えながら語っている。

生産量の調整に失敗すれば、現場は混乱状態に陥るのは必死と見られている。今週末にはぶどうの摘み取りの労働者の第一波が押し寄せ、続いて何万人もの摘み手がやってくる。

2005年のボジョレーは、過去20年のうちでも最高のヴィンテージのひとつだというのには異論はない。



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