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ワインの記事に健康に対する警告の掲載を強制 【フランス】 2008年1月15日


フランス・パリの地方裁判所のひとつは、新聞などメディアの報ずるワインの記事について、飲酒の危険性の警告文を掲載しなければならないとする決定を下した。

この決定は、新聞Le Parisien(ル・パリジャン)が2005年のクリスマスの時期に“the triumph of Champagne(シャンパーニュの勝利)”と題する記事を掲載したことをめぐっての決定。

決定の中で裁判所は、たとえ記事が広告でなくとも、アルコール飲料に表示義務化されている『飲酒による健康に対する警告』を記事の中に掲載しなければならないとした。判決で裁判所は、記事の内容は読者にアルコール飲料を買ってみようという気を起こさせるものだと指摘した。

アルコール依存症やアルコールの常習を防ぐ活動をしている団体the National Association for the Prevention of Alcoholism and Addiction (ANPAA)は、メディアに掲載されるアルコール飲料にいかなる好意的な記事も、飲酒の促進効果を持っており、それゆえ健康に対して定められた公的な基準を満たさなければならないとしている。

この決定に対しては、フランスの国内外から反響が寄せられている。特にジャーナリストからの反発は強く、西洋民主主義の根本である言論の自由を侵害する決定だとして反発している。また一般からは、行き過ぎでばかげた決定だとの声も聞かれる。

警告文は日本語では『過度のアルコール摂取は健康を害します。適度に飲みましょう。』というもの。

フランスではアルコール飲料の広告に対してEvins Lawと呼ばれる厳しい規制を1991年に導入している。この法律では、アルコール飲料の広告で、商品の品質以外の表現や飲酒のシーンを掲載することは禁じられている。また、広告内で健康に対する警告を必ず表示しなければならない。

裁判所はLe Parisienに対し、ANPAAに5,000ユーロ(およそ80万円)を支払うよう命じた。サルコジ大統領は大統領選挙戦で、この法律を改正すると公約していたが、果たされていない。

(参考)Wine articles must carry health warning, French court decides, Decanter



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