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ロートシルト男爵夫人、最近のトップワインの価格高騰に警鐘 【フランス】 2007年6月21日


Chateau Mouton-Rothschild(シャトームートンロートシルト)のフィリピーヌ男爵夫人(Baroness Philippine de Rothschild)は、最近のボルドーの格付け上位のワインの価格高騰が行き過ぎていると、開催中のVinexpo(ヴィネクスポ:世界最大のワイン見本市)のガラディナーの席上でスピーチした。

夫人は、2005年ヴィンテージの想像を絶する高値に触れながら、投機目的で買いあさる投資マネーゲームに巻き込まれることが、ボルドーのトップシャトーにとって将来を見据えたときに良いことなのかと疑問を呈した。

こんにち我々のグランクリュとはいったいどんなワインなのか。ひとつの高価な商品に過ぎないのかそれとも友達と一緒に楽しめる飲み物なのか、さらにはそれはそもそも飲み物であるのか単なる投機対象物のひとつに過ぎないのか、と疑問を投げかけた。

また夫人は、トップシャトーの将来について、トップシャトーがトップシャトーであるのは、テロワール、ノウハウ、プレステージ性という3つの要素を持っているからに他ならず、それが高い価格を維持できる切り札だとしながらも、同族経営による経営の非効率にも言及した。

その比較対照として、いくつかのトップシャトーは今やフランス内外の大手資本の所有となっており、彼らは非常に効率的にうまくやっていると述べた。夫人は、綿々と続く一族経営を誇りとしながらも、一族間のもめごとや相続問題など経営の非効率を挙げ、それらの解消は簡単ではないとも述べた。

現在進行中の2006年のプリムール価格も当初は2004年の価格と同じ程度のレベルだと見られていたのが、過去最高値の2005年の価格に近づいており、価格と品質のアンバランスが懸念されてきている。

このスピーチは、世界のワインジャーナリスト、フランス農業大臣らを含む2000人を超えるゲストを招いたディナーでおこなわれ、1961年のムートンをはじめ100種類を超えるワインが供された。

Mouton owner passionately defends prices, Decanter


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