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| Home > ヨーロッパのワイン、大改革を断行へ 【EU】 2006年6月22日 EU委員会の農業部門の責任者Mariann Fischer Boelは、ヨーロッパ産ワインの余剰問題とワイン界の改革について20日、声明を発表した。発言の骨子は以下のとおり。 EU委員会（European Commission）は、EUワイン部門の徹底的な改革プランを取りまとめる準備をしている。この改革プランは2003年以来EUが実施してきた農業改革の中で、最も感情論が表明化し、紛糾するものとなるだろう。 私（Boel）のワイン改革の出発点は、ヨーロッパワインは世界最高だというところにある。ヨーロッパのワインは国際的に評価され、何世紀にもわたる伝統と美しい景観の中で造られてきた。我々のワインは、これから先も発展していく強い潜在力を持っており、その力をきちんと出させる必要がある。 これまでEU産ワインは、その拡大努力にも関わらず、継続的に消費を減らし続けている。また、EU内の消費者は、ワインの楽しみをニューワールドワインに見出している。ニューワールドワインの輸出は爆発的だ。近々ヨーロッパはワインの輸入量が輸出量を上回ることになる。 ヨーロッパはワインを造りすぎている。引き取り手のないワインは、2011年までには全産出量の15パーセントになる。緊急的な改革が必要だ。 引き取り手のない余剰ワインをEU委員会が買い上げることによって生産者を救済し、その余剰ワインを産業用アルコールに蒸留するという手段は、例外的にとられたものだったが、今では恒常化し、いわゆる高品質ワインまでもが対象となっている。 売り先のないワインの救済として生産者に支払われる補助金は巨額で、年間5億ユーロ（700億円強）が使われ、そのワインから蒸留された高価なアルコールが燃料として車や工場で使われているが、こんなことが続けられるはずがない。狂っているといわれても仕方がない。これに使われるお金は納税者から徴収した税金だ。 根本的な改革が必要だ。現状のやり方ではヨーロッパワインの維持は無理だ。ニューワールドワインとのワイン市場でのバランスを回復することと競争力をつけることが必要だ。 そのために我々は、今後5年間に24億ユーロ（およそ3000億円）を、競争力のない生産者にワイン生産をやめてもらい、ぶどうを引き抜いてもらうためのインセンティブとして用意する。あくまでこのインセンティブを取るかどうかは生産者が自由に決めることができるが、これにより400,000ヘクタールのぶどう園がなくなると期待している。これは全EUのぶどう作付面積の12パーセントに当たる。 市場性のない、競争力のないワインが淘汰され、補助金垂れ流しに終止符が打てれば、EU内の優れた生産者たちがニューワールドのダイナミックな生産者たちと競争するためにもっと対策を打つことができる。 ヨーロッパワインには改革が必要だ。ラベルの表示問題はそのひとつだ。我々のラベルシステムは複雑すぎて消費者にはわからない。ラベルに書かれているのは生産地域なのかぶどうの品種なのか、それとも何か別のことが書かれているのか、消費者には意味不明だ。消費者が理解できる簡単で明快なラベル表示にすべきだ。 ワイン醸造においても、OIV（Organization of International Vine and Wine）の基準を採用し、“ニューワールドスタイル”のワインを造りたいという生産者にはそれを許すべきだ。 われわれは、強固で創造的でなくてはならない。この声明を私が発信したのは、我々のワイン部門が将来どうなるのかを議論してもらいたいのだ。 すべての人々―ぶどう生産者、ワインメーカー、小売業者、輸出業者、輸入業者、消費者そして政治家―すべての人がどうやったらヨーロッパワインが再びその強さを取り戻し、世界で最良のワインであり続けられるかを考えなければいけないのだ。 この徹底した議論をもとに、EU委員会は2006年末あるいは2007年初めに立法措置を取ることになる。 これはワイン界にとって大きな機会だ。無駄にしてはいけない。 【Press Release】 Wine: Profound reform will balance market, increase competitiveness, preserve rural areas and simplify rules for producers and consumers 【関連ページ】 余剰ワインを工業用アルコールに転換、EUが補助金支出 フランス農業大臣、フランスワインの危機的状況に対する具体的施策に言及 アペラシオンシステムは意味がない？ Home > |
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