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アメリカのワイン産業、安定成長期に 【アメリカ】 2005年9月30日

カリフォルニア大学デイヴィス校(UC Davis)の大学院教授Robert Smileyによる、アメリカのワイン業界のトップ経営者層への調査で、アメリカワイン界は2000年当初の不振から脱却し、現在では安定的な成長に入ったと目されている。

Smiley教授は、『300以上の広いレンジのワイナリーに対して調査をおこなったが、その経営者層の74パーセントが、今の成長の動きは過去のブーム的な動きとはまったく違って、新しいサイクルの成長と認識していることが重要だ』と指摘している。

アメリカワイン界のぶどう生産者・ワイナリー・流通業者の多くが共有する見方は、

  • ワイン価格の下落(ブームの後には常に起こる)は、過去の例ほどひどくはならない。その理由は新規ぶどう園の開園コストが上がっており、新規のぶどう園にとって水分供給や環境問題などクリアしなければならない問題が多く、過去に起きたようなぶどうの生産過剰が起こりにくい。
  • ワイン業界のグローバリゼーションは引き続き起こり、アルゼンチン、南アフリカ、ニュージーランドなどがその競争相手となってくる。これらの地域に対するM&A(合従連衡)が安定成長のポイントとなる。
  • 5年後懸念されるワイン界にとって最も大きな問題は、環境問題、世界貿易、マーケティング、ワインが普通の消費財となっていること、課税問題、病害虫問題などとしている。

さらに、いくつかのワイナリーは成長を抑制している、人工コルク(synthetic corks)使用の動き1)が高まっているが、将来的にはスクリューキャップにしたいと思っている、などの動きが指摘できる。

ぶどうの需給関係で言えば、ピノノワール、ソーヴィニオンブラン、ピノグリージョなどに供給不足が懸念され、供給過剰状態だったシャルドネはかなり改善されるとしている。

ワイナリーの経営に関しては、その重要な要素を大規模ワイナリーでは、コスト管理、質の高い従業員の確保、流通チャネルなどを挙げているのに対し、小規模ワイナリーでは、コスト管理、消費者のワイナリーに対してのロイヤリティを挙げている。

Source:UC Davis News & Information “Wine Executives See Industry Headed for Steady Growth, Survey Finds


【関連ページ】

1) ワインの栓をめぐる問題 その3
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