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Judgment of Paris, 30年後のテースティング結果―再びカリフォルニアワインが上位に 【イギリス、アメリカ】 2006年5月26日

1976年、カリフォルニアワインがフランスのトップシャトーを打ち負かしたとしてセンセーションを巻き起こしてから30年、当時と同じワインを使って再度同じテースティングがロンドンとナパで同時におこなわれた。

このテースティングセッションは、2006年5月24日に開催され、30年前と同じ日に実施された。ワインは1976年で比較されたオリジナルワインとまったく同じボルドー4種類、カリフォルニアワイン6種類の合計10種類のワインテースティングで、上位5ワインをカリフォルニアワインが独占した。

比較されたワインと今回の結果は下記のとおり。

1位 Ridge Monte Bello 1971
2位 Stag's Leap Wine Cellars 1973
3位 Mayacamas 1971
3位 Heitz Martha's Vineyard 1970
5位 Clos du Val 1972A
6位 Chateau Mouton-Rothschild 1970
7位 Chateau Montrose 1970
8位 Chateau Haut-Brion 1970
9位 Chateau Leoville-Las-Cases 1971
10位 Freemark Abbey 1969

このテースティングは、ロンドンとナパでそれぞれ9人のワイン専門家によって同時に実施され、ブラインドで行われた。

それぞれのジャッジは次のとおり。

【ロンドン】

Michel Bettane, Michael Broadbent MW, Michel Dovaz, Hugh Johnson, Matthew Jukes, Jane MacQuitty, Jasper MorrisMW, Jancis Robinson OBE MW, Brian St. Pierre

【ナパ】

Dan Berger, Anthony Dias Blue, Stephen Brook, Wilfred Jaeger, Peter Marks MW, Paul Roberts MS, Andrea Immer Robinson MS, Jean-Michel Valette MW, Christian Vanneque

この結果を受け、カリフォルニアワインが長期熟成を経ても、なおかつボルドーワインより優れているという結果が出たと世界のメディアが伝えている。

またこの日、最近のブルゴーニュの白ワインとカリフォルニアのシャルドネ6種類ずつとボルドーの赤ワインとカリフォルニアのカベルネソーヴィニオン6種ずつのテースティングも同時に開催され、興味深い結果となっている。

Jancis Robinsonは、若いワインの比較では、ボルドーワインのほうがカリフォルニアのカベルネよりかなりいいものが多くあったが、両者の比較がなかったのは残念だと言っている。


【コメント】

30年前のパリにおけるフランスのトップワインとカリフォルニアワインのブラインドテースティング(Judgment of Paris)で、カリフォルニアワインがフランスワインと同等あるいはそれ以上の評価を受けたことで、一躍カリフォルニアワイン、強いてはニューワールドワインが注目されるきっかけとなりました。

今回のJudgment of Paris Rerunは、そのときとまったく同じワインを用いて30年たった現時点でもう一度比較しようとするものです。結果は上記のようになりました。

しかしながら、この結果を持ってカリフォルニアワインが勝った、フランスワインが負けたといった一面的なとらえ方は短絡的といえるでしょう。確かにメディアはセンセーショナルに書きますし、それを受けて最近のフランスワインの低落もあって、ワインの判断が心理的に影響を受けるということもあるかと思います。

実際には30年前と現在とでは世界のワイン界は大きく変わっており、価値尺度も変容しています。今回のテースティング結果は確かに象徴的なものかもしれませんが、極めて小規模な断片的な比較でもあり、冷静に見ていく必要があるでしょう。

(伊藤嘉浩)


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